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洞庫

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洞庫

洞庫(どうこ)は、茶室の点前畳から亭主が点前をしながら道具類の出し入れができるようにした押入式の仕付棚です。
洞庫は、茶席の道具畳の勝手付に押入式に取り付けられるのが一般的です。
洞庫は、老人など身体の動きの不自由な人が、水屋から道具を運び出さなくてもよいように、このなかに点前で用いる道具がおさめられています。
洞庫は、道幸という人が考案したともいわれ、「道幸」、「道庫」、「道古」、「堂庫」、「道籠」などと書かれました。
洞庫は、押入式に取り付けられた「洞庫」、取り外しのできる「置洞庫」、水を流せるようにした「水屋洞庫」があります。

『茶道筌蹄』に「道幸 利休形、スギ、うしろに開き戸あり、杓釘袋懸釘あり、件翁より袋釘をとる、極老はうしろの開きより水指へ水を加ふ、板敷にもおき、畳の上にもおくなり」「飾道幸は畳すれあり、手前は台目はこび手前の通り、芳野スギなり」「水屋道幸 元伯このみ、今日庵に用ゆ、下竹簀、一重棚うしろ打ぬき、常は戸を入る、夏は戸をとり簾をかける、夜分は桐のカケ燈台を用ゆ、極老は水遣兼用にもなす、釣木、向はスギの木、前は竹なり」とあります。
享保二年(1717)刊『書言字考節用集』に「道幸棚 茶室所言、蓋道幸者、泉南人嗜茶、老後便起居設之座右、以貯茶器故名、或云、道幸業傀儡所用者、則其匣而巳」とあります。
『茶道望月集』に「右道幸を見立初めたる事は、手グツ人形をツカイ初タル者を道幸の坊といふ也、箱をせおふて旅行自由する様に拵、夫に色々人形を入てツカイ歩行せし、其箱より見立初し事と也、其人の名を取て、今以道幸と云と也、今も西の宮より出て、手グツ坊まはしとて、其余風有也」とあります。
『茶事集覧』に「道幸の作者を、或人利休居士に問、休云道幸といふもの仕始たるものといひしなり、古は勝手にさまざまの棚を置、其日の会の諸具を取そろへ置、座敷へはび座出し茶を点しなり、それもむつかしとて、座敷に仕付たるものを利休いはれしなり、道幸作者は引拙といふ説もあり」とあります。

     
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