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菓子器

主菓子器 干菓子器

菓子器

菓子器(かしき)は、菓子を盛りつける器の総称です。
菓子器は、主菓子用と干菓子用に大別されます。
主菓子は、懐石の一部として、懐石同様一人一器を原則とし、最も正式な主菓子器としては、菓子椀を用い、一椀ごとに杉楊枝と黒文字を箸一膳として添えます。
しかし、菓子椀は現在ではあまり用いられず、一般的には縁高が正式な主菓子器として用いいられます。
この菓子椀と縁高の扱いを簡略したものに銘々盆があり、一客一器に菓子を盛り、楊枝か黒文字を一本ずつ添えます。
されに略して、一客ごとでなく盛込むかたちのものに食籠があります。
食籠は客数の菓子を盛り入れて、菓子箸または黒文字箸を蓋上に一膳置いて取り回します。
更に略して、盛込鉢や盛皿があり、菓子と箸は食籠同様に扱います。
干菓子用には塗物や木地物が多く使われます。
菓子器は、『松屋会記』に見ると、弘治2年(1556)「食籠ニ饅頭」、永禄2年(1559)「盆ニ菓子 キンナン・アマノリ・クモタコ」、永禄11年(1568)「かごにアマノリ一種」、天正11年(1583)「高坏盆ニヤウヒ三、イリカヤ」、天正14年(1586)「吉野大鉢ニ牛房一種」「八寸カンナカケ、大カマホコ、カヽセンヘン、ツリ」と、食籠、盆、籠、高坏盆、八寸などが使われています。

『茶道筌蹄』に「菓子椀 朱黒ツバメ利休形、烹物ワンにかりもちゆ」「食籠。八角 丸 元伯このみ、一閑張、二つとも内朱外黒、八角はかけごあり。朱三重 一閑張、琉球物写し、外朱内黒、鏡青漆、面黄うるしなり。網 原叟このみ、網の絵の椀にそふ。青貝 堆朱 何れも唐物」「菓子盆。縁高 黒塗り、利休形、一かん張は元伯このみ。高つき 朱ぬり、利休形。朱 足なし丸、原叟このみ、溜にて原叟好より余程小ぶりなるは半庵宗也このみ。一かん張 菱は如心斎好、角溜ぬり畳付黒は原叟このみ。雑器 なで四方角黒、如心斎このみ。」「惣菓子盆。一閑四方 へぎ目あるは元伯好、へぎめなきは宗全好。砂張盆 南蛮、朝鮮。三脚盆 利休形、朱畳付黒。八角盆 朱ぬり黒つはめは如心斎好、唐物写しなり。菊絵硯蓋 桐木地錫縁、菊の絵、花胡蝶、葉紺青、宗全このみ。八角菊絵 桐木地、金粉にて菊の絵、錫縁、了々斎このみ」とあります。

   
菓子椀  縁高  銘々盆
   
食籠  菓子鉢  干菓子器

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