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薄板

矢筈板 蛤端 丸香台 花入盆

薄板

薄板(うすいた)は、花入を畳敷の床に置く場合に、花入の下に敷く板のことです。
薄板は、「矢筈板」(やはずいた)、「蛤端」(はまぐりば)、「丸香台」(まるこうだい)の三種があり、花入の真、行、草の格により使い分けられます。
矢筈板(やはずいた)は、利休形は檜木地の黒真塗で、板の木口が矢筈形で、上側の寸法が下側より一分大きく、広い方を上にし、古銅、青磁、染付など真の花入に使います。
蛤端(はまぐりば)は、利休形は桐木地の溜塗で、木口が蛤貝を合わせたような形で、真塗、溜塗、蝋色塗、黒掻合せ塗などがあり、釉薬のかかった国焼など行の花入に使います。
丸香台(まるこうだい)は、利休形は桐木地の掻合せ塗で、木口は丸く、備前、伊賀、信楽など釉薬のかかっていない国焼や竹花入などの「草」の花入に使います。
その他、桐、松、杉、桧、欅を材にした「木地の蛤葉」は、草の花入としてして使 われる釉薬のかからない素焼や焼〆、竹、瓢に使います。 大広間では「大板」「長板 」を使うことがあるほか、古銅の花入には「羽田盆」も使われることがあります。
薄板は、籠の花入を置くときには用いないことになっています。

『茶道筌蹄』に「花入敷板 矢筈 利休形檜木地黒真塗。蛤端 利休形桐溜塗、松木溜は啐啄斎このみ。丸香台 利休形桐掻合せ、松木溜啐啄斎このみ。桑花台 利休形長角足にすかしあり、千家所持如心斎稲塚開の時用る由」とあります。
『茶話指月集』に「古織(古田織部)、籠の花入を薄板なしに置かれたるを、休(利休)称(賞)して、古人うす板にのせ来たれども、おもわしからず。是はお弟子に罷り成るとて、それよりじきに置く也」とあります。
『茶式湖月抄』に「薄板利休形 薄板敷やう、利休と古ならば畳の目十七向に置、右にて見合。真 真塗矢筈 大なる方上。草 かき合せかうだい。行 溜塗蛤歯」「矢筈薄板 大さ一尺四寸四分 巾九寸三分半 厚一分半 あつみ如此 煤@」「蛤葉薄板 長一尺三寸四分五厘 巾九寸五分半 厚二分半 あつみ如斯 ⊂ 」「丸香台 さしわたし一尺五分 あつさ七分半 あつみ如斯 ⊃ 」とあります。
『石州三百ヶ條』に「薄板裏表の事 薄板の表には少、肉置有物なり、めんもふかく取もの也、裏はたいらにして、めんもあさく取るなり、薄板には表裏有て前後なし、表のめんもふかく取たる方を下へすれは、端にてはねたるやうにみへ、畳に居ぬものなり」「燕口の薄板・丸板、道具により取合すへきもの、燕口又は矢筈なとの薄板には、地紋も無之ぬるき花入を用、はつみ候花入なとは常の薄板に用、丸板には角花入勿論也、然共、丸きも角も花入により、丸板に丸花入、角板に角花入用ても取合恰好次第也」「薄板半分に置す候事 いつれの薄板も、畳のめ半分には置す候なり、なり丸めを用置也、薄板下の方にもめん有之故、めんの下より畳のめみへぬ程に置也、然共、余り引出すをは目半分に成て悪敷候」「下の置候籠の花入の事 籠には薄板を不用、床に直に置也、籠の内に水筒を入候故、籠薄板目同時也、されとも、籠も花により菊花・石竹なと沢山に籠に入、露多きは時により薄板にのせてもよきなり」とあります。

     
掛花入  釣花入  置花入  双飾り

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