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ハシカ彫香合
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行司・頭取・勧進元 差添・世話人
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ハシカ彫香合(はしかぼりこうごう)は、漆を何層にも塗り重ね、そこに文様を彫刻した彫漆(ちょうしつ)において、線画のように細く彫った文様のシノギ(稜角)に丸みをつけず鋭く尖って切り立った線条からなっている漆器の合子を云ったもののようです。
ハシカ彫(はしかぼり)は、「芒彫」とも書かれますが、芒(はしか)とは麦などの殻の先端にある剛毛のことで、細かく尖った彫りがその姿に似ているところからの名といわれています。
ハシカ彫香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では「世話人」に位置します。
『萬寳全書』に「ハシカ彫 下作物なり」とあります。
『槐記』享保十年(1725)十二月五日に「香合 堆朱のやうに見へてハシカ彫なり、形は手付の籠の形なり、珍き物なり」、同廿年正月七日に「御棚 香合、ハシカ彫、羽箒、白鶴」とあります。
『嬉遊笑覧』に「桂漿は蒟醤の轉訛、はしかほり堆黄などいへるは皆西皮をいふ、其作りやうに依てさまざまに呼しものなり、(桂海虞衡志)に南人檳榔を食ふ、其法石灰抹留藤と同く、咀ば澁からず、客あれば先小合の内を三室に沸きりたるに件の三色を入て出すことをいへり、是い今こゝにて客きぬればたばこ盆を出すに似たり、抹留藤は蒟醤の一名なり(蠻名にや)、西粤交趾もこれを好みて食ふよし、(廣東新語)にいへり閩も此風あること、(五雜俎)などにも見ゆ、(萬寳全書)など桂漿といへるは蒟醤にて是を入る小合を名づけてキンマと呼、これ又西皮の一種にて剔ぬものなり(今のつがる塗は是を學びたるものなるべし)、剔りたるも剔らざるも彩漆をかさねて塗りたるは其國の漆器に倣へるはみな西皮なり」とあります。
『雲州公御蔵帳』に「一、麒麟 ハシカ彫 堀田相模 竹忠百両」とあります。
『新搖i古要論』天順三年(1459)校増「剔紅」条に「今雲南大理府人専工作此然偽物多 南京貴戚多有此物 有一等通朱紅 有一等帯黒色 好者絶高 偽物亦多宜仔細辨之」とあります。
『遵生八牋』萬暦十九年(1591)刊「燕間清賞牋」に「雲南以此為業、奈用刀不善藏鋒、又不磨熟稜角、雕法雖細用漆不堅、舊者尚有可取、今則不足觀矣。有偽造者、礬朱堆起雕鏤、以朱漆蓋覆二次、用愚隷家」とあります。
『帝京景物略』崇禎八年(1635)刊に「雲南雕法雖細、用漆不堅。刀不藏鋒、稜不磨熟矣。」とあります。
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