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好物香合

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好物香合

好物香合(このみものこうごう)は、茶人が意匠などを職人に指示して作らせた合子のことです。
好物香合は、利休好に梅鉢蒔絵白粉解・溢梅蒔絵白粉解・青楽兎・菊置上蛤・桐置上蛤、道安好に一閑上底、少庵好に菊解形・梅桜・梅鉢 、宗旦好に楽葛屋・楽達磨・楽根太布袋・楽宝珠・楽黒寿老・楽帽子雀・一閑桃(内朱蒔絵)・一閑烏帽子箱・一閑兜巾・一閑四方・一閑丸(内朱)・一閑三日月・宗哲三日月・宗哲橙(内黒・内箔)などがあります。
好物香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では「世話人」に位置します。

長次カ黒菊桐香合   常慶雀香合   道入赤楽兎香合
長次郎 黒菊桐   常慶 雀   道入 赤楽兎
一入根太香合   宗入菊置上蛤香合   左入赤楽白蔵主香合
一入 根太   宗入 菊置上蛤   左入 赤楽白蔵主
長入緑釉象香合   得入平雀香合   了入赤楽鶴香合
長入 緑釉象   得入 平雀   了入 赤楽鶴
旦入楽織部写香合   慶入赤楽鶴香合    
旦入 楽織部写   慶入 赤楽鶴    


『茶道筌蹄』に「楽焼類。伯藏主 光悦手造を、原叟、左入に命して寫させ、箱書付をなす。蛤 宗全このみ、金ために白菊。鳥の子 宗全手造、宗乾書付のうつしあり。舟引 左入作、如心齋このみ、赤。木魚 如心齋このみ、赤。總 如心齋このみ、赤にて甲にすヽきの穂のもやうあり。鯉 如心齋このみ、手遊の金魚のやうにて、背中あかく丸し。柏楽 如心齋このみ、たんはんとあかと両様あり、江岑このみの通なるを、蓋身横に分る。手造 手造は光悦より始る、光悦薬はのんかう藥と自分と両様あり、千家にては江岑より始る。」「白粉解。元来は婦人の手道具をかり用るものなり。紹鴎形白粉解 黒ぬり胴合せ、千家所持五郎作、江岑書付あり、當時白山氏所持。利休形白粉解 利休このみ、盛阿彌作、黒ぬり、金粉にて劍梅鉢の大小七つあり。道安白粉解 春慶、あげ底、盛阿彌作、千家所持、天然のうつし數百あり。少菴白粉解 盛阿彌作、黒に金粉にてかげの菊、甲に三つ合口とそことに七つあり。こぼれ梅白粉解 紹鴎時代よりありて、このみしれずといへとも、利休判あるが山中氏所持、それゆへ千家書付出来るなり。挂羅 江岑このみ、裏金梨子地、外黒、金粉にて梅月のもやうあり。狛楽 江岑好、内黒、外溜、江岑書付に利休紋とあり。三日月 元伯このみ、黒眞ぬり、胴金。橙 東v蜑@様御好、内黒、外溜、又内黒外金溜あり。」「一閑張物。兜巾 元伯このみ、千家傳来、當時山中善五郎所持、又啐啄齋寫し三十あり。烏帽子箱 元伯このみ、本歌八文字屋荘右エ門所持、京絲屋町住。梅鉢白粉解 原叟このみ、本歌竹浪菴所持。不倒翁 原叟このみ、外ため内黒、久田宗也病氣全快の祝に、原叟このみ遣はされし品也、起あがると云ふ心也、當時山中善作所持。桃 元伯このみ、内外黒、模様なし、大コ寺聚光院の什物、仙叟書付あり、大ぶりなり、但し内朱甲に花と金粉にてあるは元祖一閑作にて、このみしれず、啐啄齋書付あるは、廣岡五兵衛所持。三日月 小方、内朱外黒、元伯このみ、本歌今日菴にあり、さん蓋、内外黒は宗全このみ、千家所持内朱外黒胴金は原叟このみ、宗全好の品にすヽきを書たるは啐啄齋、江戸土産武蔵野と云ふ。結文、洲濱、瓢箪、梅鉢、蔦、何れも内朱外黒、原叟このみ、十づヽ五品合せて五十になる、それゆへ五十の内と云ふ。挂羅 原叟このみといへとも不分明。」「木地物。鴛鴦 妙喜菴松木を以て製す、左近作、原叟このみ老松割蓋と同木なり、原叟書付數三十七、又別に殘木にて天然うつし十三あり、合せて五十となる、千家に鎌倉雕あり其寫し也。龜 交趾大龜のうつしなり、如心齋このみ、木地松木、天然書付ある處は數五つと云ふ。獅子 千家所持、唐物、飛来一平よりうつし来る、此一平は天然の若黨也。桐 了〃齋このみ、亂桐と云ふ、久田宗全かへ紋のうつしなり、松の木地。ぶりぶり 原叟このみ、一燈宗室へ好みつかはす。玉 原叟このみ、如心齋へ好みつかはす。竹 如心齋このみ、根節にて造る、實は紀州四代目大恵院様の御好也。櫻木 江岑このみ、櫻の木地、平丸形、胴金。」とあります。

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