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交趾紅猪口丸竜香合
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交趾紅猪口丸竜香合(こうちべにちょくがんりゅうこうごう)は、平丸形の交趾の合子で、蓋の甲の中央の珠を廻って龍が浮紋され、蓋の甲以外には地紋がなく無地で、身が三重輪となっているものです。龍の紋様は様々あります。
交趾紅猪口丸竜香合は、「交趾丸龍」(東二段目十一位)よりかなり小さく、その姿が紅猪口に似ている、或は紅猪口が小さいものの譬えにされたところから小さな丸龍の意、又はその両方からこの名があるように思われますが、紅猪口(べにちょく)は、紅皿の小さく深いものをいい、紅を内面に刷(は)いて乾燥し玉虫色になった状態で売られており、それを指先或は筆に唾或は水をつけ擦ると、水に触れた紅が赤くなって溶け出し、それを唇や目弾(めはじき)といって目の縁などにつけました。
交趾紅猪口丸竜香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では「東四段目十八位」に位置します。
交趾紅猪口丸竜香合は、番付頭註に「色絵」とあり色絵を上としており、甲は白檀で、身は萌黄、紫などがあるといいます。
『類聚名物考』に「○べにざら 紅藍皿 俗云紅猪口」「今案世の童物語に紅皿かけさらといふ二人の娘の相競て歌よみしこと有紅皿は今俗に云ふ紅猪口なり」とあります。
『平安通志』に「臙脂 紅花を用ゐて之を製す、小盞に塗るものを紅猪口と云ひ、片板に塗り携帯に便にするものを紅板と云ふ、皆携帯に便ならしむるか為なり、四方の婦女争ふて之を購ふ、故に一の物産となり、其業を営むもの多し、其製造の創始詳ならすと雖も、下村和泉の如きは、永禄年間より業を伝へて、今日に至れるを以て考ふれは、古代より製造法の開けし見るへし、而して小町紅の名殊に著し」とあります。
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