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青磁トキヤロ香合
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青磁トキヤロ香合(せいじとぎやろこうごう)は、苫屋舟に一人の人物が乗っている形の青磁の合子です。
青磁トキヤロ香合は、今は「舟人物」と呼ばれています。
トキヤロは、「伽野郎」とも書き、女を小舟に乗せ、大船などに漕ぎ寄せ「伽やろう」と声をかけたことからきた言葉といいます。
青磁トキヤロ香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では「東五段目十八位」に位置します。
青磁トキヤロ香合は、「大小有」とあり、もとは中国で香炉として作られたもので、大小様々ある中から香合に適したものを選んで転用したものといいます。
『壬戌羇旅漫録』享和二年(1802)に「大阪にて舟まんぢうを伽やらうといふ。土地の俗はびんしよとよびなせり。毎夜船を前だれ島、その外元船のかヽり居るあたりにこぎありき、伽やらうとよぶなり。則ち元船へよび入れて船頭のあそびものとなすとぞ。とぎやらうとは、閨の伽をやるべしといふの義なり。元船の舟人これをよび入れて見る時、かのびんしよ立膝をし、前をあらはにして客に見せしむ。是その陰中瘡毒なきをしめすの意なりといふ。予これを聞て暫時噴飯す。」とあります。
『摂陽見聞筆拍子』天保五年(1834)に「○伽遺ふ船の事 宇治川口、木津川口の大船へ、伽やらううと言て、三味せん弾て女を小船に乗せ行を、ビンシヨと呼べり、江戸にては船まんぢうといふ類ひにして、古への浅妻舟なども、かヽるさまの世渡りならんか、中古は熊野の牛王を売て、さも殊勝なりしも、いつの程にか色を商ふものに成しが、夫さへ今は姿かわりて、舟比丘尼と云て小舟に打乗り、大船毎に漕よすれば、いつとても炭薪の類をあたへるならひとは成ぬ、これなん比丘尼に布施物を遣わせし余風成べし。」とあります。
『賤者考』弘化四年(1847)に「小船に乗りて来り大船などの旅客につれづれをなぐさむるもあり、是を伊勢志摩などにて走りがねといふよし、又俗にヒンシヨともいふ、名義はしらず西国にて伽やらうといふは詞によりてなり、東国にて船饅頭といふとは英一蝶のゑがける朝妻船の類、此類ありもやしけむ」とあります。
『摂津名所図絵大成』に「客盡てかへるや雪の比丘尼船 此比丘尼船といふは、両川口の泊の舟々を見かけ、三絃をひける女を小舟にのせ棹さしよせて、伽やらふと云ひて旅客を慰さむ故に伽やらふ舟共いふ、或はヒンショといふ」とあります。
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