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染附丁子香合
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染附丁子香合(そめつけちょうじこうごう)は、宝尽文様の中にある丁子を象った桟蓋の染付の合子で、一丁子(ひとつちょうじ)と繋丁子(つなぎちょうじ)とがあり、繋丁子は二個の丁子を打違いに重ねたものです。
図柄は様々で、一つ丁子には、宝尽、草花、竜紋、山水などがあり、山水のものを下手とし、繋丁子には宝尽や草花文が多くあり、側面は七宝、宝尽が多くあります。
丁子は、「丁字」とも書き「丁香」ともいい、蒲桃(フトモモ)科の常緑小高木の丁子木 (チョウジノキ)の開いていない花の蕾(つぼみ)を乾燥させたものの形が「釘」に似ていることから同音の「丁」の字を用いて「丁子」と名付けられ、生薬、香料などとして平安初にはすでに渡来して珍重されたばかりではなく、その希少性から瑞祥のものとして、これを図案化したものが吉祥文として宝尽(たからづくし)のひとつに加えられました。
染付丁子香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では、「西五段目一位」に位置します。
『聖コ太子傳暦』に「二十四歳 三年乙卯春三月。土佐南海夜有大光。亦有声如雷。經卅箇日矣。夏四月着淡路島南岸。島人不知沈木。以交薪燒於竃。太子遣使令献。其大一圍長八尺。其香異薫。太子觀而大ス。奏曰。是爲沈木香者也。此木名栴檀香木。生南天竺國南海岸。夏月諸蛇相繞。此木冷故也。人以矢射。冬月虵蟄即斫而採之。其實鶏舌、其花丁子、其脂薫陸。沈水久者爲沈水香。不久者爲淺香。而今陛下興鱸ラ教。肇造佛像故釋梵感コ漂送此木。即有敕命百済工。刻造檀像作觀音菩薩。時々放光。」
(二十四歳 三年乙卯春三月に、土佐の南海に毎夜大なる光有り、また声有て雷のごとし。卅箇日を経ふ。夏四月に淡路島の南岸に着く。島人沈木と知らずして、以て薪に交へ竃に焼く。太子使を遣して献ぜしむ。其の大さ一圍い長さ八尺、其の香り異薫す。太子観て大に悦て、奏して曰く、是れ沈木香と為する者也。此の木をば栴檀と名くる香木なり。南天竺国の南海の岸に生をいたり。夏の月も諸の蛇を纏う繞へり。此の木冷しき故なり也。人矢を以て射いる。冬の月虵蟄するとき即ち斫つて之を採とる。其の実は鶏舌、其の花は丁子、其の脂は薫陸、水に沈て久きを沈水香と為し、久からざるを浅香と為す。而るを今陛下釋教を興驍オ、肇はじめて佛像を造りたまふ故に釋梵コに感じて此の木を漂はし送れり。即敕有て百済の工に命じて、檀像を刻み造て觀音菩薩を作す。時々光を放ちたまふ。)とあります。
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