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染附誰が袖香合
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行司・頭取・勧進元 差添・世話人
染附誰が袖香合(そめつけたがそでこうごう)は、着物のたもとの形をした薬籠蓋の染付の合子で、角が丸味を帯び、上部と袖の先に当たる部分が藍溜で、上部は梅鉢抜き、先は浪紋となっており、白地の部分に文字のようなものが描いてあるものです。
誰袖(たがそで)は、古今和歌集の「色よりも香こそあはれと思ほゆれ誰が袖ふれし宿の梅ぞも」の歌から名付けられた匂袋の名で、衣服の袖の形に作った袋二つを紐でつなぎ、着物の袖が長くなり帯幅が広くなるなど時代変化に伴い、掛香のように紐を首に掛けるのではなく、袂落(たもとおとし)という紐の両端に付けた小物入のように、紐を背中又は懐に渡して袋を両袖に落としたといいます。
染付誰ケ袖香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では、「西五段目二十二位」に位置します。
『用捨箱』に「誰袖は匂ひ袋なり。紐をつけて二つ連ね、今袂落しといふ物の如くして持ちし故に、古畫の誰袖に紐のつかざるはなし。是は原、色よりも香こそあはれとおもほゆれ誰袖ふれし宿の梅ぞも、といふ古今集の歌にて名づけしなれば、楊枝さしとなりては名義聞えず、昔はおほく香具賣も持來、見 世店にても賣たるなり、誰袖を匂ひ袋なりしといふ證くさぐさあり」とあります。
『嬉遊笑覧』に「誰が袖とて今は別牙杖を指す物あり、もと是懸香の袋なり(卜養狂歌集)誰袖花の露匂袋を(梅の木はみめのきやらん花の露たが袖風の匂ひふくろう)(中略)さて誰袖は延宝大和のころより衣服ひな形に多くあり二つ連ねたる事つねの匂い袋と同し、三角なるは浮世袋といへり」とあります。
『仕懸文庫』に「かけ香のひもをむねの所で十文字にとり」とあります。
『雍州府志』に「一種有香嚢、或謂匂袋、於其方也、有花世界兵部卿等之名、是亦麁末之香劑、各有輕重多少之差別、各量之而滾合之、共盛絹嚢、而嚢左右著詞q頂懷其袋、故元稱掛香、今多無其儀、徒納之諸懷、是謂匂袋、倭俗匂字代香字而用之」
(一種の香嚢あり、或は匂袋と謂う、其の方に於て也、花世界・兵部卿等の名あり、是また、鹿末の香剤、各、軽重・多少の差別あり。各、之を量りて、之を滾合し、共に絹の嚢に盛りて、嚢の左右に緒を著け、項に繋け、其の袋を懐にす。故に元と掛香と称す。今その儀無し。徒に之を諸懐に納む。是を匂袋と謂う。倭俗に匂字を香字に代えて之を用う。)とあります。
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