茶道茶道の道具炭道具 >炭斗

炭斗

菜籠 瓢炭斗 神折敷 炭台 箱炭斗

炭斗

炭斗(すみとり)は、亭主が客の前で炉や風炉に炭を組み入れる炭点前(すみでまえ)で用いる、炭を組み入れ、香合・羽箒・釜敷・鐶・火箸を添えて席中に持ち出す器のことです。
炭斗は、炭取とも書き、烏府(うふ)ともいいます。
炭斗は、多くは籠などの組物で、内張をしてそれに漆をかけたものが用いられます。
炭斗には、唐物と和物があります。
唐物炭斗は、藤、竹などで編まれた籠で、編み方は部分々々に変化をつけ精巧を極めたものが多く、藤と竹の交ぜ編み、棕櫚皮を編み込んだものなどもあります。
唐物炭斗は、籠以外には、漆器類や青貝入り、金馬(きんま)などもあります。
和物炭斗は、籐、竹、藤蔓、蓮茎(はすくき)などで、編み方は唐物よりざんぐりしています。
和物炭斗は、籠以外には、瓢、一閑張、蒔絵、曲物、指物などがあり、「冊屑箱」(さくずばこ)、「茶撰籠」(ちゃよりかご)、「散華皿」(さんげざら)、「箕」(み)、「炮烙」(ほうろく)などが用いられることもあります。
炭斗の種類には、「菜籠」(さいろう)、「瓢炭斗」(ふくべすみとり)、「神折敷」(かみおしき)、「炭台」(すみだい)、「箱炭斗」(はこすみとり)などがあります。
利休形の炭斗には、油竹、鱗籠、達磨、菊置上椽高(きくをきあげふちだか)、木地炭台、瓢、水屋用の桑箱炭斗があります。
宗旦好には、瓢手付、一閑秕目神折敷(大)、葛桶(くずおけ)があります。
『和漢茶誌』に「烏府 炭斗也 見茶譜。烏府貯炭籃籠也 和名曰手菜籠是也。品形不一定、以竹織之、或藤茘造之、必以有提梁者曰烏府、賛見下」とあります。
『山上宗二記』に「炭斗 紹鴎籠、宗久に在り、昔は籠の手、又食籠はやる、当世は瓢箪まてなり」とあります。
『茶道筌蹄』に「唐物籠 竹組 ト組あり」「和物籠 竹くみに利休形あり、有馬土産は如心斎好也、啐啄斎好に寐覚籠あり、トくみ藤くみ宗全好」「菊檜縁高 利休形 正親町天皇へ進献の形杉木地」「瓢 利休形 手付は元伯」「神の折敷 一閑張、大は元伯このみ、小は原叟」「葛桶 一閑張元伯このみ、大は底に輪なくて深し、小は底に輪ありて浅し」「炭台 檜利休形」「桑箱 利休形、勝手物、かまの仕懸け仕舞にもちゆ、老人わび者は座しきに用いてもよし」とあります。
『千家茶事不白斎聞書』に「炉はふくべを用、風炉は組物を用、併春に成り而は炉も組物を用候、瓢を用ても能候、是も口切を出し不申、春に成り茶を出したる時杯、ふくべの新しきを遣ふ事よし、常体春は組物能候、組物は何成共用、ふくべは年々出来候物故、新しきを用、古きは悪し、炉の時、古きを用候よりは組物を遣ひたるがまし也、併古き迚も宗匠の判杯有るは能候、是は内黒塗にいたし候がよし、菊桐の絵縁高炭斗を遣時は紙を敷也、内一はいに折て入る、紙は奉書又色奉書也、炭台を遣時は、奉書之両方を台の内一はいに折、前の縁をはづし、内江落し、向を先江出し敷也、桑の炭取利休、是は勝手物也、常体座敷には廻り炭の時など遣ふ、松の木皮付にて炭取、覚々斎好て大名江上る、さくづ箱、是は禁裏にて唐粉箱也」とあります。
『茶道要録』に「炭斗之事、夏は菜籠を用、色々形あり、冬は瓢を用ゆ、大瓢は取手を付て伐べし、必ず茎を少残して鐶を置べし、瓢の切口鋸目の儘用ゆべし、手瓢は必ず老人の用具とす、各釜の形に因て取合肝要也、総じて炉は瓢を用、風炉は籠なり」とあります。

     
唐物炭斗  瓢炭斗  神折敷  炭台

茶道をお気に入りに追加