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菓子

 

菓子

菓子(かし)は、大別して「主菓子(おもがし)」と「惣菓子(そうがし)」に分かれ、主菓子は主に「生菓子(なまがし)」で、惣菓子は「干菓子(ひがし)」が使われます。
普通は、濃茶には主菓子、薄茶には干菓子が用いられます。
近年は、薄茶のみの場合にも主菓子・干菓子の両方を出す事も多くなっています。
菓子は、元々は漢語で「果物」の意味で、日本でも近世頃までは菓子を果物の意味として使っていましたが、江戸時代には果物を「水菓子」と呼ぶようになり、菓子の語は現在のような使われ方をするようになります。
『延喜式』の諸国貢進菓子には、楊梅子(やまもも)・平栗子・甘栗・椎子(しいの実)・梨子・覆盆子(いちご)などと甘葛煎(あまずらせん)が挙げられています。
また、中国よりもち米、うるち米、麦、大豆、小豆などの粉に甘味料のあまかずら煎や塩を加えて練り、丁子(ちょうじ)末や肉桂(にっけい)末などを入れ、餅とし、あるい餅を胡麻油で揚げた菓子が伝来し「唐菓子(からくだもの)」と呼ばれました。
茶会の菓子としては、『天王寺屋会記』の天正元年(1573)11月22日織田信長の茶会では「御菓子九種 美濃柿、こくししいたけ、花すり、むき栗、キンカン、ざくろ、きんとん、むすびこぶ、いりかや」。『利休百会記』では、菓子の記述のある88会中、「ふ」72(ふの焼68、ふ3、ふのけしあえ1)、「栗」55(焼栗29、栗25、打栗1)、「椎葺」15、「いりかや」15、「こふ」7、「やき餅」「とうふ湯波」各5などが見え、一種の場合はほとんどなく、三・四種類が出されています。
「ふの焼」は小麦粉を水でねり焼鍋にのばし、焼けた片面に味噌をぬって巻いたものといわれます。
寛永期の茶会記には「ヨモギ餅、アン入テ」「栗粉餅、砂糖カカラズ」などと見え,アンコ餅・キナコ餅・ウズラヤキ・サトウチマキなど菓子として出てきます。
主菓子と干菓子の区別がされるようになるのは元禄頃とされます。

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