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板木

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板木

板木(ばんぎ)は、玄関脇や露地腰掛に吊り下げ、到着や連客の揃ったことを知らせるための木製の板です。
板木は、「版木」とも書き、「はんぎ」ともいい、「木板」(もくはん)、単に「板」(版)などともいいます。
板木は、厚い堅い材質の木製の板の上辺を隅切りした長方形のもので、上辺二ヵ所に紐を通して吊り、左手で支えつつ丁字形の木槌で中央を打ちます。
板木は、本来は寺院で用いる鳴物(ならしもの)の一種で、ふつう僧侶の日常的な諸作法の合図として用いられます。

『南方録』に「同道人相揃はヾ、主の掛置たるにまかせ、版にても喚鐘にても柝にても打べし、数は三つ可然、主の沓の音聞ば、立渡りて迎を待べし。」とあります。
『茶道湯一会集』に「一 腰懸に客落付たらば、詰、正客へ挨拶して、版木を可打、又は木魚にても同じ、尤相伴の衆邪魔になるべき所ならば、版を打つうちは、腰懸をはなれ居るべし。集雲庵七箇條第一 賓客腰懸に来り、同道の人相揃はゞ、版を打て案内を可報といふは此事なり。当流打様 △−△ △ △ △ △ △ 二槌たゝみ打、客の数を打なり、又初の二槌を省き、客の数計も打つ。近世多くは版木なし、しかれば詰を以て勝手へ揃ひを申入か、又は亭主方より人を出し置ば、其人へ申つかはすべし」とあります。
『勅修百丈清規』に「版 大版齋粥二時長撃三通。木魚後三下疊疊撃之。謂之長版。念誦楞嚴會儆戒火燭。各鳴三下。報更則隨更次第撃之。方丈庫司首座寮及諸寮。各有小版。開靜時皆長撃之。報衆時各鳴二下。衆寮内外各有版。外版毎日大衆問訊時三下。坐禪坐參時各三下。候衆歸堂次第鳴之。點茶湯時長撃之。内版掛搭歸寮時三下。茶湯行盞二下。收盞一下。退座三下。小座湯長撃之。」(版 大版は斎粥の二時に長撃三通し、木魚の後に三下し畳々として之をフつ。之を長版と謂う。念誦楞嚴会に火燭を儆戒するに各鳴すること三下し、更を報ずるときは則ち更に隨い次第に之を撃つ。方丈、庫司、首座寮及び諸寮、各に小版あり。開靜の時は皆之を長撃す。衆に報する時は各鳴すること二下す。衆寮の内外各に版あり。外版は毎日大衆問訊の時に三下し、坐禅坐参の時に各三下す。候衆の帰堂に次第に之を鳴し、点茶湯の時に之を長撃す。内版は掛搭と帰寮の時に三下、茶湯と行盞に二下、收盞に一下、退座に三下し、小座湯に之を長撃す。) とあります。

     
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