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文琳

肩衝  文琳  茄子  大海

茶入

文琳(ぶんりん) とは、茶入の形態の一種で丸形の茶入です。
文琳という名前は、林檎(りんご)の形に似ていることに由来していて、文琳とは林檎の雅称で、中国唐の第三代皇帝高宗の時、李謹という者が見事な林檎を帝に献じたところ、帝は喜んで李謹を文琳郎の官に任命したという故事によるといわれています。
文琳は、唐物茶入の代表的な形で、甑が低く、肩から胴へと張りだした美しい形状の小壷で、古来、唐物 茶入の中で茄子と文琳はその最上位にあるといわれ、名物も多くあり、伝存する代表的なものに、珠光・本能寺・羽室・筑紫などがあります。
『茶道秘録』に「文琳の茶入は、壷の作丸くして、口隘く捻返あり清香の如くにて、如何にも形美敷を文琳と云。又何れ共形の知れずして、口に捻返なく、口作を諸そぎ片そぎと云也。口の内外よりそぎたるもあり、又片方よりそぎたるもあり、昔より諸そぎを上とする也。兎角形の知れざる物をも文琳と云習す也。右の通文琳と云来るに二種あり、其内に捻返有て丸く形美しく乳なめらかなる是本意也。」 とあります。

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