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大海

肩衝  文琳  茄子  大海

茶入
大海(たいかい) とは、茶入の形態の一種です。「だいかい」ともいいます。
大海という名前は、茶入の口が大きいことに由来しています。
大ぶりで、口が広く、甑(頸部)が短い、肩が横平面に張ったやや扁平な平丸型の茶入で、胴部中位には一条の線刻(胴紐)が巡らされているものが多くあります。
本来は茶席には用いず、茶臼でひいた抹茶を入れておく「挽溜(ひきだめ)」として水屋で使っていましたが、侘び茶の流行で、茶席で用いるようになったといいます。
しかし、千利休の時代になるとあまり用いられなくなっていたようです。

『山上宗二記』に「一、万歳大海 昔 代二千貫。但し、当世は数寄に入らず。惣見院御代に失す。一、打曇大海 代物千貫。是も当世は数寄に入らず。一、水谷大海 当世数寄には如何。右、大海は多し。当世には好悪とも数寄には用いず。昔より中古までは、名物とて用うる也。」とあります。
『茶器弁玉集』に「大海と云事、口の径渺々として広故に海に喩云事となり、大海に大文字を書事誤也、内海と書也、又小を世にウチウミと云へり此説非也、ちいさきは小内海と云此儀本説也、然共世にあまねく大海内海と云伝たる事なれはくるしからぬ儀也、又内海は大海のちいさき故に入海の心也、昔日大海は茄子茶入或肩衝茶入に一ツ宛添置之也、茶磨より大海に茶をうつして後、茄子或肩衝へ茶を入替と也、然者大海は曳溜也、古より小座敷へ出たる法なし、自然広間書院の台子には荘をくなり、宗易作意にて大海を曳溜に用ては焼物とやきものとあぶなき事とて曳溜にはふヾきを被用となり」とあります。

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