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口覆 口緒  長緒 乳緒

網

網(あみ)は、壷飾の際に茶壷をいれる、紅か紫の組紐で亀甲形に編んだ網に取手(取緒)の付いた網袋のことです。
網は、茶壷の蓋の上で結ぶようになっています。
網は、裏千家では網をかけたまま床に飾り客の所望によって拝見に供しますが、表千家では網を掛けて飾ってある時は拝見を所望しません。武者小路千家では、網は単に茶壷を運ぶためのものとして、網に入れて飾らないのが普通です。

『南方録』に「葉茶壺小座鋪にもかざることあり。大方口切の時のことなり。初入にかけ物かけて前にかざるべし。小座鋪にてのかざりは口覆口緒までにてよし。自然に長緒などむすぶとも、やすやす目にたたぬやうにすべし。さまざま、ようがましきむすび形など、物しりがほにてあしし。網は凡小座鋪にてはかけぬなれども、口切にてなき時は壷によりかくるも苦しからず。」とあります。
『逢源斎書』に「一葉茶壺床に置候。会席前に一軸懸、真中に置候。口覆か又は網か一色懸候。世二色出候は小座敷には悪敷候。口覆の緒はわなの下を下座、二筋之方を上座に置也。亭主すみ置、仕廻候てから、客壺おろし御見せ候と申候。亭主おろし候て、口覆取壺よこにして、土の方客へ見せ候。壷よこにして置候。口覆も見申候。扨、亭主後取に出候は網を持出候。客は見しまい候て、壺立て置申候」とあります。
『茶道望月集』に「古法に小座敷にては、網は不掛事也。併し利休三斎公を招請して壷飾の時、網を掛て飾し事有り。三斎公格好能思召て、小座敷にて壷に網の掛りたるも能き物也、所持の柴栗と云ふ壷にも、重ねては網を掛けて可飾と、御相談有之時、宗易返答には、小座敷にて網を掛けたるは不宜候へ共、此壷は殊の外響多く候故、格別と存じ網に入候と答し事あり。然れば古法には何か故なくては、網に入れる事はなしと可知。」、『正伝集』に「壷を網に入て荘事は紹鴎が頃迄はなき事也。壷を網に入置く事は、勝手にて壷の家より出入の能き故に入る也」とあります。

     
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