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八景釜

八景釜

八景釜(はっけいがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、胴に「夜雨」「晩鐘」「帰帆」「晴嵐」「秋月」「落雁」「夕照」「暮雪」の八景文様を鋳出した釜です。
八景とは、中国湖南省の洞庭湖に面した瀟湘(しょうしょう)の景勝八景を北宋の宋迪(そうてき)が「瀟湘夜雨」「遠寺晩鐘」「遠浦帰帆」「山市晴嵐」「洞庭秋月」「平沙落雁」「漁村夕照」「江天暮雪」の山水画「瀟湘八景」に描いたことに始まり、これが日本に伝わり室町時代の明応九年(1500)近衛政家が琵琶湖に遊んだ時、瀟湘八景に倣って琵琶湖の西南岸から「唐崎夜雨」「三井晩鐘」「矢橋帰帆」「粟津晴嵐」「石山秋月」「堅田落雁」「勢田夕照」「比良暮雪」の八景を選ひ自ら絵と和歌をしたためたのが「近江八景」といわれます。
八景釜は、八角釜に多く見られますが、丸釜にもあります。

『名物釜所持名寄』芦屋に「極上作 一八角釜 八景地紋 中西立佐 後藤源左衛門」とあります。

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