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芦屋釜 天命釜 京釜 釜師 釜形 釜蓋   鐶付   釜肌 地文  自在  前土器  透木

茶の湯釜

釜(かま)は、湯を沸かす鋳鉄製の道具で、茶事茶会を催すことを「釜を懸ける」とか「懸釜」と言い習わすように大事な道具です。
茶湯釜(ちゃのゆがま)は、大別して「芦屋」「天命」「京作」の三種に分類され、鎌倉時代末から室町時代には、筑前(福岡県)の「芦屋釜」と佐野(栃木県)の「天命釜」が茶湯釜の名品を作り出し、その後利休の時代に京都で盛んに茶湯釜が制作され、西村道仁、辻与次郎などの釜師が現れ天下一の称号を受けるなど、茶湯釜生産の中心は京都に移りました。
茶湯釜は、作製する釜の断面の半分を木型で作り、木型を回転させながら砂と粘土などを混ぜた特殊な土によって外側の鋳型を甲と底と呼ぶ上部と下部の二つに分けて作り、この鋳型に篦押しなどによって文様をつけたり、鐶付の型を埋め込んだりした後、肌打ちなどによって釜肌を造り、鋳型を素焼きし、さらに中子(なかご)を作り、外型の中に中子を入れて、上下二つの外型を合わせ、釜の底を上にして外型と中子の間の隙間に熔かした鉄(湯)を注ぎ、湯が自然に固まったら鋳型を壊して釜を取り出し、仕上げを終えた釜を炭火で加熱しながら漆や鉄漿(おはぐろ)などを塗って着色して仕上げます。
茶湯釜は、炉用、風炉用に分かれ、ともに色々な種類があります。
茶湯釜の各部の名称は、釜の「」、口の部分を「」または「口造り」、釜を持つ際に環を通す部分を「鐶付(かんつき)」、口造りから環付に至るまでを「」、釜の底と胴の継ぎ目にあたる部分を「」、肩から羽までを「」、羽より下を「」と呼びます。
」には、掬蓋・一文字蓋・盛蓋・恵明蓋・掛子蓋・茫蓋などがあり、「口」には、甑口・姥口・矢筈口・鮟鱇口・姥口・繰口・十王口・立口などがあります。
また、釜の肌には、荒肌、砂肌、絹肌、鯰肌(なまずはだ)、霙膚(みぞれはだ)、霰肌(あられはだ)、糸目肌、柚肌、刷毛目などがあり、釜の地肌全体に付けられている文様である「地紋」には、型押しと箆の二手があり、文様、絵画、文字などがあります。

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