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平釜

平釜

平釜(ひらがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、浅く平たい形の釜です。
平釜は、名物釜では、天明の後期の作にあり、京作では利休好の与次郎作や与四郎、藤左衛門があります。
平釜は、利休が好まなかったため用いられなくなり廃れたといいます。

『山上宗二記』に「平雲 松永代に失候也、宗達平釜、藤波平釜二ッ、信長公御代ニ失也、但シ此三ッ釜ハ当世ハ在テモ不用」とあります。
『茶道筌蹄』に「巴蓋 少庵所持、霰平カマ、切カケ、鐶付鬼面、天猫作、蓋は少庵好、巴の地紋あり、山中氏所持」とあります。
『日葡辞書』に「Firagama(平釜) Caldeirao, ou panella de ferro larga.(広くて底の浅い大釜、または鉄の大釜)」とあります。
『名物釜所持名寄』の天明に「関東上作 一平釜 真弓観音寺ト文字有 斧屋常與」「二代目 一平釜 鐶付カキ 大文字屋宗碩」とあります。
『茶湯古事談』に「紹鴎の比迄ハ、真行の台子の時ハ、必平釜のはの所にて九寸斗り有釜を真の風炉に透木居にしてもちひしとなん」「利休か平釜ハ見分よからすとて好まさりしより、世上に用ひすすたりしとなん」とあります。
『茶道四祖伝書』に「易こう釜を佐久間(殿)へ五百貫〔ニ〕売、其後頓テ信長公平釜ヲ御望ノ由易ニ被仰候得バ、御無用と達而申上ル。何程よく候とも平釜数寄ノ用ニハ立間敷候、か様ニ申儀曲事ニテ太刀取向候ハゞ、太刀ノ下ニテモ理申候て曲事ニハ成間敷ト云也。自是天下ノ平釜捨リケリ」とあります。

   
芦屋応永銘平釜  芦屋平釜東山時代  芦屋平釜桃山時代

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