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広口釜

広口釜

広口釜(ひろくちがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、釜の胴がほぼ垂直に立ち上がってすぐ口縁となり、口造が大きく広い形の釜です。
広口釜は、一般に一月から二月の厳寒の時季、立ち上る湯気で暖かさを感じさせるように用いられます。
広口釜は、繰口で鬼面鐶付の道安好、不白好、一燈好などがあります。
広口釜は、野溝釜や大講堂釜、雷声釜などは形態上からは広口釜となります。

『茶道筌蹄』に「広 古作に多し、道安好、与二郎作にて輪口とウバクチとあり」「大講堂 作しれす、叡山大講堂の香炉をカマに用たるものなり、大講堂の文字右より書たるもあり、左より横に書たるもあり、本歌御物なりしが明暦の火に焼失したるゆへ分明ならす、広口、トモ蓋、常張」「野溝 天メウ作、広口、枯木に猿猴の模様、鐶付玉章、唐金蓋、野溝某所所持故名く」「萬代屋 天メウ作、萬代屋宗安所持、形一様ならすと云とも広口、鬼面、輪口、肩に筋あり、累座のあるとなきとあり」「雷声 如心斎好、浄元作、広口、唐金蓋、鬼面鐶付、如心斎書にて雷声の二字あり、後藤玄乗へ好み遣す、大葭のカマ置添ふ、啐啄斎風炉の時此カマ拝見致し置度よし後藤に申遣す、玄乗雲龍風炉に小雲龍のカマをかけ、後座に葭のカマ置を敷き此カマに杜若を生る」とあります。

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