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香炉釜
香炉釜(こうろがま)は、茶の湯釜の一種で、香炉として作られたものを転用して、底を入れ替えたり鐶付を付けるなどして茶湯釜につくり直した釜です。
香炉釜は、芦屋で室町時代に作られた香炉を利用して釜に仕立て直したものですが、江戸中期以降は香炉釜を倣って、四仏、観音、六地蔵、不動明王、梵字などを鋳出した釜がかなり作られます。
香炉釜は、現存するものでは三点ほどあり、「伊勢山田常明寺香炉」「永正三年 八月日 大工葦屋行信」銘のある、輪口際に三つ巴文帯、腰に連珠文を廻らせた香炉の底を付け替え、丸や長円形の穴をあけた三角形の鐶付を付けた松永記念館蔵のもの、「以奉寄進伊勢山田十一面御宝前」「天文三二月吉日吉久大工芦屋大江宣秀」銘のある十一面観音像を鋳出し鐶付を入れ替えた細見家蔵のもの、それに三尊梵字香炉釜といわれる久保惣記念美術館蔵のものが知られています。
香炉釜は、大講堂釜や達磨堂釜も香炉を釜にしたものといいます。
『茶道筌蹄』に「大講堂 作しれす、叡山大講堂の香炉をカマに用たるものなり、大講堂の文字右より書たるもあり、左より横に書たるもあり、本歌御物なりしが明暦の火に焼失したるゆへ分明ならす、広口、トモ蓋、常張」「達磨堂 原叟高桐院清厳和尚建立の達磨堂の香炉を以てカマとなす、形ナデ四方、カタに玉ブチあり、オダレ、香炉耳、トモ蓋、清厳和尚の書達磨堂の文字あり、写し道爺作数三十」とあります。
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