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尾上釜

尾上釜

尾上釜

尾上釜(おのえがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、釣鐘形で、胴の正面に「播州」と「高砂」、裏側に「尾上」の文字を鋳出した釜です。
尾上釜は、天明作で、播磨の尾上神社の朝鮮鐘を模って作ったところからこの名があるといいます。
尾上釜は、鐶付は獅噛、共蓋の摘みの形が鐘朝鐘の形をしていて、蓋裏に「尾上の鐘」の文字が鋳出してあります。
朝鮮鐘(ちょうせんしょう、ちょうせんがね)は、朝鮮半島で主に統一新羅時代から高麗時代に鋳造された銅製の鐘の総称で、鐘を梁に懸ける吊手の鐶の部分である竜頭(りゅうず)が、和鐘が双龍頭であるの対して朝鮮鐘は単頭で頸を半環状に曲げた龍が両前肢を持つのが一般的で、背面に和鐘には見られない旗挿(はたさし)しまたは甬(よう)という円筒状で底が無く鐘の内部に通じている突起が付き、これは中国の古銅器甬鐘(ようしょう)の形式を受け継いだのではないかといわれます。

謡曲『高砂』に「高砂の、松の春風吹き暮れて、尾上の鐘も響くなり」とあります。

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