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猿釜

猿釜 伝道仁作

猿釜(さるがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、猿の鐶付を付けた釜です。
引拙猿釜は、鳥居引拙が所持し、のち豊臣秀長が所蔵したもので、大霰釜で、鐶付に日吉神社の神猿が烏帽子をつけ御幣をかついだ形像の細工が施されたものといいます。
古田織部所蔵の猿釜は、阿弥陀堂霰釜の形といわれ、薮内家伝来ともいいます。
道仁作の猿釜は、肩から胴をしゃくった面取りとし、面の角に玉縁を廻らせたものです。
猿釜は、蓋の摘みと左右の鐶付に「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿(さんえん)をつけたものもあります。

『山上宗二記』に「引拙之大霰之猿釜 大納言殿秀長公に在、右御釜は古今之名物也、此外紹鴎筋釜并に笠釜、是は数寄々々たるへし、三ッ共に大釜也、水五升計入」とあります。
『名物釜所持名寄』に「一猿釜 鐶付猿 石原宗閑 田中全斎 岸部五郎兵衛。蘆屋釜書付古き箱に入れ有、紹鴎時代、道仁、善正両作の内の物也。」とあります。

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