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色紙釜
色紙釜(しきしがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、胴に色紙形を鋳出した釜です。
色紙釜は、遠州好みで、筒形、笛鐶付、色紙には西行「とくとくと落る巌のこけしみず 汲みほすかずのわが住居かな」と、寂連「さびしさは その色としも なかりけり 槙立山の 秋の夕暮れ」の歌が鋳込まれています。
色紙釜は、松平楽翁(定信)が、色紙釜に鋳込まれた西行の「とくとくと落る巌のこけしみず 汲みほすほどもなき住居かな」の歌に衒いがあるとして「汲みて世わたる人もこそあれ」と改作し、名越弥五郎に釜の手直しをさせ、箱にそのいわれを記し「寛政七年冬十二月改作不けん斉(花押)」としたためてあるといいます。
『釜之図』に「色紙 遠州好、筒形、笛鐶付、浄久、西行苔清水歌あり」とあるといいます。
松平定信『花月草紙』に「遠州政一あそみの色紙釜てふものあり。山のふもとにかけひのすがたかいたるに、西行法師の、とくとくとおつる岩まのこけしみづ、くみほすまでもなきすほひかな、といふをつけたるが、あるやんことなきひと、かの茶の道とてしひてかヽることまねぶこそ心得ね、そのほどをこそ思ふべかめれとて、上句はそのまヽ置きて、くみてよわたる人もこそあれと、つくりなほしたりとか。」とあります。
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