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東陽坊釜
東陽坊釜(とうようぼうがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、筒釜で、鉄懸子蓋、鬼面鐶付、真鍮常鐶付、毛切で上げ底の形の釜です。
東陽坊釜は、本歌は天命作で、利休所持の釜を門人の東陽坊長盛に贈ったところとからこの名があります。
東陽坊釜は、東陽坊長盛(1515〜1598)は、安土・桃山時代の天台宗の僧・茶人で京都真如堂東陽坊住職、号は宗珍、茶を千利休に学び、長次郎作黒楽茶碗「東陽坊」などを所持したことで知られ、現在建仁寺方丈裏庭にある茶室「東陽坊」は北野大茶会で東陽坊長盛の好みによってつくられた副席とつ伝えられます。
『茶道筌蹄』に「東陽房 天メウ作、筒カマ、鬼面、鉄のカケゴ蓋、アゲ底、ケキリ、真鍮丸鐶、利休所持を真如堂東陽房へ贈りしゆへ名く」とあります。
『大西家釜形図』に「同(利休好) 東陽坊釜 糸目鐵打込ふた 京師東山真如堂庵室東陽坊主へ好被遺候ト云、真鍮常鐶付」とあります。
『名物釜所持名寄』に「一東陽坊釜 東陽坊ト文字有 磯村源右衛門 山田彦右衛門」とあります。
『茶湯古事談』に「京都真如堂の僧に東陽坊といふ出家あり、茶湯を好ミ利休か弟子となり、就中侘数寄の名誉あり、懸物には尊円親王の六字の名号を、利休か好ミにて紙表具にして、是一幅、伊勢天目一ツにて一世の中炉火を絶ささりし、或時、秀次公の近臣を請し茶の湯せしか、薄茶たて様か、各御隙なしの方々に候ヘハ薄茶に手間とらす大服にたてゝ進すへき程に、吸茶になされ侯へとたて出し也、此作意節に応して宜きと利休も称美し、世人もほめて、其比ハ薄茶を吸茶にする事はやり、彼か名をとりて、大服にたつる事を東陽に仕るなとゝいひしとなん」とあります。
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