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楽水指

 

楽焼 如心斎好 くちなし水指

楽焼(らくやき)は、長次郎を祖とする楽家代々の作品をいい、轆轤(ろくろ)を使わず手びねりで成形し、低火度で焼成した軟質陶器のことをいいます。
楽水指は、千宗旦が楽家三代道入(1599〜1656)別名「ノンコウ」に造らせたのが初めといいます。
楽水指は、宗旦好みの「鐘樓堂」「不識」「大名」、 表千家六世覚々斎原叟宗左好みの「竹の節」、表千家七世如心斎天然宗左好みの「赤楽梔子」、 裏千家四世仙叟宗室好みの大樋焼の「福の神」、裏千家五世不休斎常叟宗室好みの「赤楽曳舟」、裏千家八世又玄斎一燈宗室好みの「御手洗」「ぶりぶり」などがあります。

『茶道筌蹄』に「福の神 仙叟好、元伯銘す、元は大樋焼、あめ薬、とも蓋也」「舟引 常叟このみ、赤とも蓋也」「鐘楼堂 元はのんかう作、あめ色薬、おちこみ蓋、これを原叟写し左入に造らしむ、数の内也」「竹の節 原叟このみ、数の内、左入作、赤共蓋、桑原御茶碗開の節の好也、後に如心斎かんなめ蓋を好む」「飴薬丸 飴薬に箆目あり、内銀溜ふた、桐の一文字、黒掻合は原叟このみ、数の内、左入作」「梔木 如心斎このみ、左入作、赤一閑張へぎめふた、箱表長入名判、箱ふた裏書付如心斎也、数の内、元来は利休所持金の水指をうつしたる也、水指左入作り置て卒す、其後箱出来に付、表書付長入筆也」「手付 元伯このみ、赤は卑くしてともふた、白は高くして塗ふた也、両様あり、白にもともふたあり」「黒筒 一入作、千家所持をうつし来る」とあります。
『茶湯古事談』に「朝鮮人の陶器を作る者来朝し、茶碗類をやき出せり、これ楽焼の元祖也、本国の一字を称し朝次郎と名付しともいへり」とあります。
『陶器考』附録に「楽焼 初め京焼と云、京にて焼物の始なる故なり、千利休朝鮮より来れる飴爺に命し、其子朝二郎に焼しむるに初る、聚楽の朱土を以て焼ゆへ楽焼と云、伝諸書にくはしけれは略す、朱土は一入にて切たり。織田有楽斎の曰、聚楽焼祖宗慶、加茂川の紫石を取て交趾黒を焼と云々」とあります。

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