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飛石

飛石 蹲踞 腰掛 石燈籠

露地

飛石(とびいし) とは、伝い歩くために少しずつ離して飛び飛びに据えられた上面の平たい石をいいます。
露地では、客は飛石を伝い歩いて、茶室の入口に到ります。
露地の終点が、茶室の入口にある踏石(ふみいし)である沓脱石(くつぬぎいし)になります。
露地の飛石は、基本的に比較的小さい石と比較的大きい石によって構成されています。
『茶道要録』に「飛石の事は、大小を取交ぜ据べし、大と雖二ツに用ひず、小は片足乗程なれば能と、利休云しと也」とあり、小さい石は片足が乗るくらいの大きさで、小さい石の上では立ち止まらずに進み、大きい石である踏石の上では両足を揃えて立てるようになっています。
露地には、飛石ばかりではなく、畳石も用いられます。
『茶譜』に「利休流路地、何れも小き石也、長路地に続いて、畳石も有」とあります。
露地に飛石を据えることは、室町第八代将軍 足利義政の時代に始るとされます。
『長闇堂記』に「路次に飛石するとの始を云に、東山殿の御時、洛外の千本に、道貞といふ侘数奇の者ありて、其名誉たるによりて、東山殿御感有て、御鷹野の帰るさに、道貞の庵へ御尋有し時、御脚口わらんづなりけれは、童朋に雑用を敷せて、御通り有しを学びて、其後石を直せるとなり」とあります。
ただ、千利休の頃にも、必ずしも全ての露地に飛石が据えられたわけでもないようです。
『南方録』に「休の露地にとび石なき露地あり。その時は玄関の外に、ひくき竹すのこにても、板ばりにても、小ゑんを付て、げたにても、せきだにても、ふんぬぎて小ゑんにあがり、それより、くゞりにても、せうじにても、あけて入なり。」、「もず野は、露地すべて芝生なり。とび石なき事相応なり。集雲のは苔地、草履のうら、しめりていかゞと思へども、石はこびむつかしくて、ふんぬぎにしてをくなり。」とあります。
黒い蕨縄(わらびなわ)でくくった小さな石が飛石の上に置かれていることがあります。これを関守石(せきもりいし)、あるいは留石(とめいし)ともいい、通行止めの標として使われます。

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