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染附胴乱香合

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染付胴乱香合『形物香合真図』

染付大胴乱香合『形物香合真図』

染付胴乱香合『形物香合図鑑』

染附胴乱香合(そめつけどうらんこうごう)は、方形で縦長の薬籠蓋の染付の合子で、蓋の甲に桔梗紋、側面に二頭の馬、他面に筏乗り、すゝきの様な草文などが描れた「染付屏風箱」(西四段目八位)と同形同絵のものと、飛箱のような尻張りで幅の狭い長方形で桟蓋の染付の合子で、蓋の甲に穴の開いた角撮みが付き、身に州浜に水鳥と草紋が描かれたものとが「染付胴乱」とされていますが、番付にいう「胴乱」がどれかは不明です。
胴乱(どうらん)は、「筒乱」「筒卵」「胴藍」などと書かれ、革または布製で長方形の腰にさげる袋(ポーチ)のことで、はじめ鉄砲の弾丸入れとして用いられましたが、転じて薬・印・煙草・銭などを入れたものです。
染付胴乱香合は、「染付屏風箱」と同絵・同形のものを「道乱」としたもの、「具足櫃」(西四段目十二位)のような大形のものを「大道乱」としたものなどがあります。
また「屏風箱」は、真直ぐな形で桔梗に蘆の模様のものがよく、地氏の形(台形)で蓋に穴の開いたものはよくないと書いたものもあり「胴乱」も「屏風箱」と呼んでいたりと、「胴乱」と「屏風箱」は混同して伝えられてきました。
小さなものを「胴乱」、大振りなものを「屏風箱」というともされますが、番付では同形の物の大小は、名称の上に大小を付けたり、番付頭註に「大小有」などとあります。
「染付屏風箱」は小堀遠州が雛形を送り造らせたものとされますが、「筒乱」と遠州が箱書付したものがあり、遠州が別の形のものを「胴乱」として好んだために、それまでの「胴乱」が「屏風箱」と呼ばれるようになったともいいます。ただ遠州の新好の「胴乱」はここに載せた「胴乱」とは異なる形のものといいます。
染付胴乱香合は、安政二年(1855)刊『形物香合相撲』では、「西四段目七位」に位置します。

『日葡辞書』に「Dôran,ドゥラン(胴乱) 火薬や弾丸などを入れるのに用いる革製の大きな袋」とあります。
『倭訓栞』に「どうらん 銃卵と書れど筒卵なるべし、もと鳥銃鉛子の皮袋をいふより起るといへり、筒薬の字、紀効新書に見えたり」とあります。
『守貞漫稿』に「胴乱者梱草入にも、又は銭入れにも、或は薬入れ等にも用之也、革及び織物羅紗縮緬等皆製之」とあります。
『雲州蔵帳』上之部に「筒乱 南京」とあります。
『千家茶事不白斎聞書』に「屏風箱南京也、蓋に穴なく直成がよし、地紙の形は悪し、模樣は桔梗に蘆がよし、穴有るは虫入也」とあります。
『茶器名物図彙』に「寛永年小堀遠州公好みにて雛形被遣候而五郎太夫製せしもの 蜜柑 立瓜 頭巾茄子 瓢箪 此四品祥瑞五郎太夫製作、其銘有を賞翫す 無銘世に多し 張甲牛 屏風箱 此弐品は南京焼なり 周茂叔 是は東京焼にて呉州なり 右遠州公好みという」とあります。
腰差胴乱   染付胴乱 宗中侯箱書付   染付胴乱
胴乱(腰差)   染付胴乱   染付胴乱
 胴乱   染付虫入   染付虫入
胴乱   虫入   虫入
屏風箱 エドワード・S・モース   染付胴乱   染付屏風箱
屏風箱   染付屏風箱   染付屏風箱
具足櫃   具足櫃   染付具足櫃
具足櫃   具足櫃   染付具足櫃

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