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瓢炭斗

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瓢炭斗

瓢炭斗(ふくべすみとり)は、亭主が客の前で炉や風炉に炭を組み入れる炭点前(すみでまえ)で用いる、瓢箪の実の中を刳り抜いて乾燥させて作った炭斗です。
瓢炭斗は、昔は口切の際に毎年新しいのを切り、その炉の期間を通して用いたあとは捨てるのが通常だったといいます。
瓢炭斗は、現在では口切や開炉などの炭手前に使用され、新春には用いられないのが普通です。
瓢炭斗は、炭の組方が他の炭斗と異なり、「乱組」(らんぐみ)にします。底が丸く狹いためといいます。
『山上宗二記』に「炭斗 紹鴎籠、宗久に在り、昔は籠の手、又食籠はやる、当世は瓢箪まてなり」とあります。
『茶道筌蹄』に「瓢 利休形 手付は元伯」とあります。
『千家茶事不白斎聞書』に「炉はふくべを用、風炉は組物を用、併春に成り而は炉も組物を用候、瓢を用ても能候、是も口切を出し不申、春に成り茶を出したる時杯、ふくべの新しきを遣ふ事よし、常体春は組物能候、組物は何成共用、ふくべは年々出来候物故、新しきを用、古きは悪し、炉の時、古きを用候よりは組物を遣ひたるがまし也、併古き迚も宗匠の判杯有るは能候、是は内黒塗にいたし候がよし」とあります。
『茶道要録』に「炭斗之事、夏は菜籠を用、色々形あり、冬は瓢を用ゆ、大瓢は取手を付て伐べし、必ず茎を少残して鐶を置べし、瓢の切口鋸目の儘用ゆべし、手瓢は必ず老人の用具とす、各釜の形に因て取合肝要也、総じて炉は瓢を用、風炉は籠なり」とあります。
『茶譜』に「炭斗のこと、口切には新しき瓢箪を用ゆ、至春は菜籠、或は籠の組物の炭斗を用て吉、右口切に新瓢箪を用こと、口切は諸事新改るを本意にして用之、然ば瓢箪は毎年新を用て吉、古は不可用、并至春ば籠の類に替て吉と云も、又改た心也、瓢箪は冬の古きを用るやうにて汚し尤冬組物の類を不用と」とあります。

     
新瓢  瓢内黒塗  利休好鱗籠  利休好達磨

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