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火箸

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火箸

火箸(ひばし)は、亭主が客の前で炉や風炉に炭を組み入れる炭点前(すみでまえ)で用いる、炭斗から風炉や炉に炭を入れるのに使う金属製の箸のことです。
火箸は、砂張、真鍮、鉄などがあり、多くは鉄製で、細工の方法としては打ちのべ、素張り(空打ち、巣打ち)、鋳ぬきの三種類があり、象眼などで模様を入れたものもあります。
火箸は、風炉用と炉用とに大別され、風炉用は全部金属製で、炉用は木の柄がつき、普通は桑柄が最も多く、利休形でほかに唐木、黒柿、桜皮巻などがあります。
火箸は、台子・長板の柄杓立に、柄杓に添えて立てる火箸を、飾り火箸といい、これは必ず総金属製で、頭に飾りのある真の位の火箸です。
火箸は、ほかに水屋用に、長火箸といい、鉄製で柄のところを竹皮巻きにし麻糸で巻いて留めたものがあります。

『長闇堂記』に「大むかし、八寸六分のいろりの時は、火箸にて、灰を土段のうわ口まてかきあけ、炭おきて後、火箸かたかたをもつて、くるりくるりと灰まはしたる由也、この数奇には逢たる事なし、其後、けさう灰をちいさきかはらけしてかけたる時は、我もせる也、後にはあはび貝を、しゃくしのことくにすりて、それを用いし也、さてかねしゃくし・柄火箸は、利休はしめらるる也、羽も昔は白鳥の一つ羽成しを、鶴の三枚羽とせらるる也」とあります。
『南方録』に「炉には桑の柄を用ひ、風炉にはかねの火箸よし」とあります。
『茶湯古事談』に「いにしへは共柄の火箸のみなりし、利休か比より桑柄の火箸出来しとなん」とあります。
『茶道筌蹄』に「火ばし サハリ、炭カヽリなきは飾火箸、炭取へは桑柄を用ゆ、サハリは紹鴎所持の写し、椎頭紹鴎所持は当時平野にありといふ」「チョウロギ 利休所持、鉄象ガン、千家伝来す」「鳥頭 ミヽツクの形也、如心斎好、真チウ火箸の裏表の分るために好し也」「シヒカシラ(椎頭) 真鍮サハリ写し」「桑柄 利休形、金の所を袋にしたるもある」「鉄張 利休形風炉に用ゆ」とあります。

     
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