茶道茶道の道具風炉敷板 > 小板

小板

大板 小板 丸板 瓦板

敷板 小板

小板(こいた)は、風炉の下に敷く敷板のひとつで、風炉のみを乗せる四角の板です。
小板は、風炉の種類、流儀や好みによって色々ありますが、一般的に用いられているものは九寸五分四方のものです。五分縮めて九寸四方のものもあります。
小板は、炉の内法を元にした大きさとか、丸板を切って四角にした大きさとかいわれます。
小板は、大小があり、大の方は小形の風炉に用い、小の方は大形の風炉に用いるとされます。
小板は、真塗、掻合、荒目、鉋目などがあります。
小板は、真塗は唐銅風炉に、掻合塗は唐銅にも土風炉にも、荒目板は土風炉に用います。

敷板 荒目板
荒目板(あらめいた)は、粗いものから次第に細かくなっていく横段の鉋目を入れた真塗の板で、土風炉に用い、用いるときは、荒い目の方を手前にしますが、荒目は火に対する水の意で渚に打ち寄せる波の姿を表したものとも、外になるほど広くなる木の年輪の姿を表したものともいいます。
荒目板は、利休形は大小二枚あり、一般的な大きさは、大の方は長さ九寸五分に幅九寸二分、小の方は長さ八寸六分に幅八寸二分、裏千家では長さ九寸四分に幅九寸二分、厚さ六分としています。

敷板 鉋目板
鉋目板(かんなめいた)は、裏千家十四世淡々斎が切掛風炉用に好んだもので、小板の大の寸法で、鉋の目が三つと二つとあり、二つを手前に据え、土風炉に用いることもできます。
常盤板(ときわいた)は、裏千家十一世玄々斎が常盤風炉に合わせて好んだもので、桐材、青漆、木口周囲に朱で山道の彫があり、土風炉、唐銅風炉に用いることもできます。小の常盤板は、十四世淡々斎が好んだものです。

『茶道筌蹄』に「小板 アラメ、大小、杉木地、花ヌリ利休形、松木大小啐啄斎このみ、溜ぬりウルシ」「大板は勝手の方にて畳の目三つ、マル板は五つ、小板の大九つ七つの内見合せ、同小は九つ十一の内見合せ、瓦板は小板に同し」とあります。
『茶式湖月抄』に「風炉小板 大の方 長さ九寸四分、横九寸三分、厚四分半又四分八厘とも。小の方 長さ八寸五分、横八寸二分、厚四分半 半よはしとも。但し江岑良休この板を用ゆ、宗旦改の寸法は八寸一分 七寸七分なり、今これを用ゆ、右裏表とも栃目の板を真に塗なり、四方とも木口黒塗なり」とあります。
『茶道宝鑑』に「小板 大小あり 桐 大九寸 小八寸六分 巾八寸二分 厚さ五分」とあります。
『茶湯古事談』に「風炉の小板ハ古なかりし、紹鴎か比堺の員の町たまといふ所の薪屋の三二と云茶に功の有侘数寄、多年紹鴎の許へ通ひで思ひ入深かりしか、或年風炉はしめに紹鴎を請せし時に、四方なる大平瓦を清くミかひて、道具畳の脇に程よく置て、風炉をのせ釜をかけ、道具なしにてたてしを、紹鴎大にかんし、去迚ハ面白き作意なりとて、其後紹鴎長板を二つに切、小板と名付て、道具畳のすミに置、風炉をのせられしより小板出来しぬ、それより前ハ台子長板等に風炉をのせしとなん」とあります。
『長闇堂記』に「古風の真の釜はすきすゑなり、小板も大小有て、大風炉には小板を用い、小風炉には大板をせし也、その故に、畳の目、十一目と九目と有は、板によりし也、其後、利休より、板一円にさたまれる也」とあります。
『茶伝集』に「半板と云は、台子を半分に切て用、大台子の半分も有、小台子の半分も有、大小とも半板と申候、茶巾、茶入の小蓋は此板に載せ、蓋置も板の上前の左の角に置て柄杓を引也、此仕方後取違へ、風炉の小板に置也、半板には置、小板には無用、半板に茶杓は利休も置不申候と仰也」とあります。
『南方録』に「一尺三寸五分、幅一尺、又は一尺一寸にて、厚さ五分、裏にはしばみ二所入也、また一尺二寸五分も、一尺三寸も在、田舎間畳に置時は、一尺三寸五分のにては、へり際一はいに突付て置べし、一尺二寸五分のは、各坐へりより一寸置てもよし、大畳に置時は、必一寸置てよし、一尺三寸五分のにても同意也、大板には必小風炉を用、その大畳の時の事也」とあります。
『茶道要録』に「大板小板之事、大板は小釜の時用、小板は大釜に用ゆ、小は竪八寸五分、横八寸四分、厚さ四分半也、此時は勝手の方畳の縁より九つ目除る、後同寸也、大は竪九寸三分、横九寸二分、厚は同前、勝手の方斜め除て置、後も亦同じ、中柱無之時は、板の大小に不拘、九目置て吉、杉板の批目を上とす、起目にもする也、各漆色花塗たるべし、板目のあらき方を前とす、是伝也」とあります。

     
土風炉  唐銅風炉  鉄風炉  板風炉

風炉一覧

茶道をお気に入りに追加