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輪無二重切

一重切 二重切 尺八 輪無二重切 置筒 釣舟

竹花入 銘 再来 根津美術館蔵

輪無二重切(わなし にじゅうきり)は、二重切の上部の輪と柱を切り除いた姿の竹花入です。
小堀遠州(1579〜1647)が娘婿で医者の半井琢庵に贈った二重切竹花入の輪が破損し、手直しを頼まれた遠州が上の窓を切り取ってこの形を作り「花筒再来いたし候、天下一の大人に生替り候、云々」との書状を添えたところから「再来」と名付けられ、裏面には遠州の筆で「再来 宗甫」の銘が金粉字形で入れられています。
このため、輪無二重切を「再来切」ともいいます。
ただ、利休作、少庵作の輪無二重と伝えられる作も伝存しています。
『茶道筌蹄』に「輪無二重 利休形」、天保12年(1841)刊『茶家酔古襍』には「輪無二重 道安好」とあります。
春古洞斎 船越貞常の文化8年(1811)奥書の『生花口伝書』に「一 輪なし二重切の事 二重切の上の輪を取たる物ゆへ斯いふ也。また異名を車僧といふ。利休の制作也。哥に 世の中を何とかめくる車僧 のりも得るへき輪かあらはこそ 是にて付たる名なり。又道安切といふ有。別巻に記す。元来二重切の上の輪かけて取れたるゆへなり。」、「一 輪なし二重差別の事 車僧と道安切とは別也。茶道秘録に元伯好みに、上を尺八の如く切り、下の節間口壱つ開て用ゆるとあり、これ道安切なるへし。是真中に花口有りて、上下の尺同様なり。かちきね共いふ。車僧の寸法また別也。当流にのみ用ゆると知へし。」とあります。

     
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