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鳴鉄

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鳴鉄

鳴鉄(なりがね)とは、茶湯釜の内底に付けられたの薄い鉄片このとをいいます。
鳴鉄は、「鳴金」とも書き、単に「鳴り」(なり)ともいい、あるいは「煮え金」(にえがね)あるいは単に「煮え」(にえ)ともいいます。
鳴鉄は、焼き抜いた鉄片あるいは朽ちた鉄材を、漆と鉄粉を練り合わせた金漆(かなうるし)で釜の底に貼付けて、湯を沸かしたときに釜底と鳴鉄の間の僅かの隙間から細かい気泡が出るようにして音を出すためのもので、もともとは古い釜の内側に層状になった鉄や水に含まれるミネラル分が付いたところに、湯がしみ込み泡が出て湯が沸く時に釜が鳴るものを、底を入れ替えた釜や新しく作られた釜でも鳴るようにと付けられたものです。
鳴鉄を付けるのは京釜からともいわれています。その起こりは、辻与次郎が急な注文に応じて釜を作った際に、弟子が底を破り、それを繕うために鉄片を入れたところ、注文主から尋ねられて、煮え音をよくするためにつけたと答えたことによるそうです。

     
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