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及台子真台子 及台子 竹台子 高麗台子 長板
及台子(きゅうだいす)は、天板に筆返しとか落込みと呼ばれる縁取りがあり、柱の上下に雲形の力板(鰭板)の入った、二本柱の「行」の格の台子です。
及台子は、及第台子ともいい、元来は唐物で、科挙の進士及第の者のみが通れる門あるいはその門の額を象ったとも、進士及第の作文を置くための台に由来するともいわれます。
及台子は、紹鴎好み、利休好み、宗旦好みなどがあり、天板に筆返しがないものもあります。
紹鴎好の及台子は、雲形の力板(鰭板)が柱の上下の前後だけでなく内側にもついて、三葉で支えるようになったものです。
利休好の及台子は、真塗で、炉・風炉ともに用います。
宗旦好の及台子は、桑木地の「桑台子」(くわだいす)と、宗哲作の青漆爪紅の「爪紅台子」(つまくれだいす)があります。
宗旦好の「青漆爪紅台子」(せいしつつまくれだいす)は、東福門院(徳川秀忠の五女和子、後水尾天皇の中宮)へ献茶の折に好んだものといわれます。
『長闇堂記』に「及第台子と云は、唐の朝廷に、及第に試るヽ学士の出入する門の額に似たるとて、此台子を及第と名付しなり、唐より渡りて、天王寺や宗及有しを、宗凡の世となりて、織部殿かり写し給ひて、後世に流布せしなり、棚の内のかさりと云も、天王寺やの外にはしらずとなり、其棚にての茶に一度逢候なり、江月和尚に有なり、書棚に似たる物なり、溜ぬりにして下ゲ違の戸袋あり」とあります。
『茶道筌蹄』に「及台子 唐の及第門の形なりと云ふ説あれども及第の節作文をおく台ならんか」「爪紅台子 元来唐物写しなり、青漆にて刷毛目あるとなきと両様あり、千家所持は刷毛目なし、紹鴎門人宗甫所持なるゆへ利休百会に宗甫棚とあるは爪紅の事なり」「桑台子 原叟好み、爪紅の通りを桑にて写したるなり」とあります。
『千家茶事不白斎聞書』に「妻紅台子、炉に用、宗旦好み、東福門院へ上げたる台子にても可有之歟と説有り、如何様左も可有之事にて、宗旦の遣ひ候ものとは不見、女院に上たるもの尤に候」「二本柱台子、炉・風炉に用、是は真の台子大小の寸法也、天井に玉ぶち有之」「桑の台子、炉に用ゆ、覚々斎は風炉も置候」とあります。
『南方録』に「弓台は、台子の風炉をのけたるものなり。弓台の時は書院台子のかざりなど、台子よりは略勿論なり、また侘座敷の道具に取合たるは心得ちがへなり」「弓台の柱も、客柱、勝手柱と云なり、惣じて台子も弓台も座の勝手に依て左右の名違なり」「弓台のかざり、所作ともに台子にて事済、別条なく候故、図数々これを記さず」とあります。
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