茶道茶道の道具棚物仕付棚 > 釣棚

釣棚

一重棚 二重棚 三重棚 雲雀棚

釣棚(つりだな)は、棚板を釣竹や釣木で上から吊り下げた形式の仕付棚です。
     
一重棚  二重棚  三重棚  雲雀棚

釣棚は、台目構の点前座の隅に仕付けられた棚が代表的なものです。
釣棚は、台目構の場合、中柱を立てた袖壁の入隅に、向切や道安囲いの場合は勝手付の入隅に棚を付けます。
茶室内に仕付けた釣棚は、「一重棚」(いちじゅうだな)、「二重棚」(にじゅうだな)、「雲雀棚」(ひばりだな)などがあります。
水屋に仕付け、茶室に使用する道具を飾っておく「水屋棚」(みずやだな)もあります。
利休好みの「二重棚」は、桐木地の二段棚で、上下の板が同じ大きさで、下の棚を客座から見えるように横竹の下へ吊り下げます。
古田織部好みの「雲雀棚」は、上の棚が下の棚より長く、下の棚が客座から見えないように横木の上につけた二段棚です。
釣棚は、古くは三重だったものを、利休が「二重棚」「一重棚」を作り、古田織部が「二重棚」の上の棚を大きく作ったといいます。
『茶道筌蹄』に「一重 利休形なり、桐にて竹のツリ木、向切中柱あるは客付、中柱なきは勝手、但し杉もあり、中柱ある席には杉は不用、利休形の台目にて中柱なきは勝手の方へスギの一重棚を釣る、尤少し寸広し」「二重 利休形、昔は吹ぬきより上にてとまる、不審庵三畳の台目よりフキヌキより下にてつる、天井よりはツリ竹、棚より棚はカシのツリ木」「釘箱棚 仙叟このみ、杉にて左勝手に好む、当時は右勝手にも用ゆ、裏の五畳敷にあり」「利休堂 仙叟このみ、杉、蛤タナと云ふ」「炮烙棚 元伯このみ、スギ、又隠の勝手に用ゆ」「料紙棚 了々斎このみ、スギ、床脇に用ゆ、釣木竹なり」とあります。
『三百箇条』に「棚之事、むかしは同様なる棚を三重釣候、夫を利休二重になし、古織より上を違えられ候なり」とあります。
『和泉草』に「座敷の棚、古は同棚を三重に釣し也、中興二重に成、又一重に成也」「上の棚を大にして、下の棚如常小にしたるは、古田織部之作也」「上の棚台目半間を通し、下に常の棚一重釣る、片桐石見守作也」とあります。
『茶式湖月抄』に「釣棚 附 小棚 中棚 通り棚。集雲庵棚 小棚又クヽリ棚ともいへり、柱有の台目につる、五つカネの二つにして九寸八分なり、はしばみと横木もたれと合て一尺六寸なり、幅九寸又は八寸八分につくる、秘事此棚陽也、中柱一尺三寸七分巾一尺、畳の上のカネを通して用ゆ、陽二陰三つ」「右小棚中棚ともに柱有の台目につる棚なり、通り棚九寸一面なり、集雲庵棚左の壁付につる、一尺二寸二分、畳の縁分チリ共一寸二分合て一尺三寸五分、クヾリ棚とカネ同じ心持、壁付よりカネをとれは違ふ也、巾九寸三分程有の台目につればカネ又相違する事あり、よくよく心得べし、二重棚は古織好にて利休時代にはなし、雲雀棚ともいふ、カネ心得がたし」「大目向二重棚 桐 但しサビにて杉にする事も有り。長さ一尺二分、巾九寸、上下とも同断、(上)厚さ四分二リン、ハシバミ六分、(下)巾四分、厚三分半、ツリ木七寸七分、竹長さ四尺八寸六分、つつ丸竹下より一尺七寸六分上て釣、(棚と棚との間)此間六寸五分、(下棚の下)此間五分」「一重棚 桐 但し杉を用る事二重に同し 一畳半。長さ一尺四方、巾八寸八分、厚さ四分二りん、ハシハミ五分半、ツリ木三分の丸竹」「妙喜庵棚 長さ一尺一寸八分、巾一尺八分、ハシバミ六分」とあります。

     
台子  大棚  小棚  箪笥

茶道をお気に入りに追加