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三木町棚(みきまちだな)は、天板と地板は杉材、柱は檜材、天板と中棚の間に樅材で出来た引出しがあり、竹の摘みが付き、底の四隅には足がある小棚です。
三木町棚は、表千家四世 逢源斎(ほうげんさい)江岑宗左(こうしんそうさ)が、和歌山城下の三木町に居たときに好んだ棚で、「江岑棚」(こうしんだな)ともいいます。
三木町棚は、紀州徳川家に茶頭として出仕した江岑は、和歌山城下の三木町に屋敷を賜り、毎年期間を決めて京都と和歌山との往還が行われましたが、江岑がこの屋敷滞在中に若党に作らせたといいます。
三木町棚は、同所に樅・檜・杉の残材を寄せ木にして棚を好んだという説と、紀州家より樅の折箱を拝領したのでこれを引き出しにして、既にあった残材を用い、寄せ木にして棚に好んだという説があります。
三木町棚は、表千家六世 覚々斎(かくかくさい)原叟宗左(げんそうそうさ)が桐木地で好んでいます。
『茶道筌蹄』に「三木町棚 江岑紀州三木町に滞留中若党の作なり、樅檜杉の寄木也、ツマミ竹、江岑伝来の棚は山中善右ヱ門所持、桐は原叟好み、ツマミは桑なり」とあります。
『茶式湖月抄』に「江岑棚 桐 惣高さ一尺四寸六分、長一尺、奥行一尺六分、板厚さ三分半づヽ、ハシバミ八分つヽ、柱太さ六分、チリ三分半、(柱)此間九寸六分、足長さ二寸三分、厚さ四分、高さ六分、チリ二分」とあります。
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