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茶事

茶事の種類 茶事の流れ

茶事

茶事(ちゃじ)とは、茶の湯において懐石濃茶薄茶をもてなす正式な茶会のことです。
古くは、茶会の語が広く茶の湯全般を意味する言葉として使われていましたが、多くの客を一同に招く「大寄せ」が次第に盛んになり、近年の茶会はほとんど大寄せ茶会が一般的となり、茶会というと大寄せ茶会をさすようになったため、これと区別するために、茶事の語が使われています。


『茶道筌諦』に「茶會 往古は茶會といへり、太平記に佐々木道譽なと茶會を催すと云ふ事あり、紹鴎利休居士の時に至り茶の湯と稱す、茶湯とは佛家の奠茶奠湯を略して茶の湯と云ふ、居士これに混せざるやうに茶のゆと言しとぞ。」 「晝 利休居士の時代までは二食なり、巳の刻頃を昼飯と云ひ、申時を夕飯と云ふ、それゆへ晝の茶の湯といへは巳の刻時分を云ふ、當時は一日に三食なるゆへ晝の茶といふは午のときの事となりぬ。」 「夜はなし 昔は申時より露地入せしゆへに、中立に露地小座敷共に火を入しなり、晝・夜咄とも古き事にて、當時は夜はなしも暮六ツどきに露地入するなり。」 「朝 六ツ半と五ツ時也、客六ツ半に来るときは、爐・風爐とも食前に炭を直し、かまに水を加ふ、これは朝六ツ時に小水にて釜を仕かけ下火のまヽなるゆへなり、五ツ時に来るときは、爐・風爐共ひるの茶の湯に同し。」 「曉 七時に露地入する也、當時は七ツ半どき也、前日黄昏に露地へ水をうち、燈籠・待合行燈まて火を入る、暫くして火を消し、曉七ツ時に火を入る也、或人云、燈心を宥に消したるまゝにてかきたてす火をともすれば、殘燈の趣有て一入風情ある由し、さて釜は前夜より仕懸おき、客待合に來る時、炭を一ツ二ツ加へ、手水鉢の水を改め、迎へ入る也、さて生姜酒ぜんざい餅など樣の物を出し、薄茶をェ々點して閑話する也、薄茶濟みて底をとり、釜を勝手へ持こみ、水を仕懸け、ぬれカマにてかくるゆへに、板かま置か竹カマ置かを用ゆ、併し水を皆々仕替る時はにへ遅きゆへに、少し水を仕替るがよし、さて炭手前濟て膳を出すとき、突上けを揚け行燈を引き、夜もほの々々と明るが至極の時刻なれども、餘りに毛抜合にせんとするはよろしからず、膳を出すに席もくらければ、行燈をくり引にそろ々々ひくべし、猶又座中のほの暗くあらば膳を出すに、汁はなに、向は何にて候と、亭主より名のるもさびて面白きよし、小間にて突上け窓の下へ參りかたき時は、末座へ頼むべし、突上けなき席は、レンジの戸を障子と仕替る、是も客へ頼ても宜し、さて中立までは隨分寛々とすべし、中立後は隨分さら々々となすべし、客もつゞき薄茶乞ふもよし。」 「後(菓子の茶と云ふ) 朝後は五ツ半時、晝後は九ツ半、いづれも菓子の茶也、朝後は正午の茶會の邪魔にならぬやうに、畫後は夜ばなしの邪魔にならぬやう、客の心得第一也。」 「不時 兼約なしに、指かゝりて催すゆへ、道具萬端心得あらまし。」 「跡見 跡見は朝茶正午の後に限る、夜咄しにはあと見なし、客は近邊まで來り、何方にて御案内を相待と亭主方へ申入るゝ也、亭主午時の茶濟次第花を殘し(ケ樣の節は、初の客に花所望したるもよし)客方へ案内をなす、客案内に隨て露地へ入る、亭主炭を一ツ二ツおきそへて爐中をきれひになし(但し火未落、釜もよくにゆるならは、其まヽにてもよし)、さて水指の前へ、袋をはづしたる濃茶器をかざり付け、手水鉢の水を改め迎に出る、但し露地へ水うたず、客座につく時、亭主茶碗を膝の脇にをき、勝手をあけ、如例あいさつして、直さま點茶をなし、客は茶入茶杓をかへし、一禮して退き出る也、それ程に急なる事もなき時は、濃茶のあとにて炭を直し、菓子を出し、薄茶を點するもよし、菓子は初に待合に出しをくもよし、元來跡見の趣意は、遠方へ旅立をするか日限急にせまる時か、用事繁くして半日の閑も得る事もならざるに、此度の催にもるゝ事の殘念さよと、客方より乞ふ事ゆへ、誠に大急なる場合を樂む事なれは、主客共に心得あるべき事也。」 「獨客 客待合に腰をかくるも、中央より下へさがりて心すべし、席につくも同樣也、主人の心得は、客のさみしくなきようにもてなすを肝要とす、主人の座は點茶疊の末座か座敷の勝手に隨ひ見はからひにすべし、料理は膳を客へすヽめ、手前の膳を持出て相伴する也、其後は通ひを用る例の如し、さてきょひ器と間鍋を引時、亭主煮物の椀を我膳へ乘せ勝手へ持入る、勝手にて吸物を相伴する也、又吸物まで相伴して、吸物椀を膳にのせ勝手へ持入れ、湯を通ひに出さするもよし、さてかよひ吸物を引つけ勝手へ入る時、亭主かんなべ八寸を持出るもよし、又かよひ盃を納め勝手へ入る時、亭主吸物椀を膳へのせ勝手へ持入り、湯を勝手にて相伴して、客の膳を下るもよし。點茶の節、客より御手前にも召上られ候樣などあひさつある時は、二人分の茶を點する也、客より右のあひさつなき時は、亭主より御相伴いたし候と云ひて二人分の茶を點すべし、さて客は御手前の一禮して茶を飲む時、亭主旦座の半東の樣に座に付く也、至ての小坐敷ならば少し座をすヽめてもよし、茶碗は手より手へ受取り、帛紗をはずして飲む、客一禮すれは、茶碗を客の前に置き、帛紗をさげ、定座にかへる。」 「大a@正月元日より十五日までの茶會を云ふ。」 「春 正月十五日以後を春茶と云ふ。」 「風爐 曉 夜咄し。」 「名殘 古茶の名殘と云ふ事也、風爐の名殘と云ふにはあらず、八月末より九月へかけ催す。」 「口切 九月の末より催す、當年新茶の口きり也。」とあります。

  1. 茶事の種類
    正午の茶事 朝茶 夜咄 暁の茶事 飯後の茶事 跡見の茶事 不時の茶事 
  2. 茶事の流れ
    席入り 炭点前 懐石 中立 濃茶 薄茶

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