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手無煙草盆

手付煙草盆 手無煙草盆 火入 灰吹 煙草入 煙管 香箸

手無煙草盆

手無煙草盆(てなしたばこぼん)は、手付煙草盆に対していう言葉で、代表的なものとしては、行李蓋(こうりぶた)、舟形(ふながた)、櫛形(くしがた)があります。
行李蓋は、形が柳行李の蓋に似ていることから呼ばれ、角が丸い長方形で、内側には葉入(隅入)の段差がついていて、松木地、真塗、一閑などの種類があります。
舟形は、長方形の小深い形で、胡桃足などもあります。
櫛形は、長方形で、四方の面が、女性が使う櫛の形のように下部が水平で上部にゆるやかな丸みをもつ山形になったものです。
宗旦好みの手付莨盆に、黒塗縁溜塗行李蓋、真塗舟形、縁黒底溜塗舟形、松木地長煙草盆などがあります。
表千家の好み物の手無煙草盆には、六世 覚々斎好みに、一閑潤朱塗で上下に糸巻透しで左右の繰りがない糸巻煙草盆、一閑縁溜内底黒塗行李蓋、七世 如心斎好み、檜黒塗糸巻透、青漆爪紅糸巻透、黒一閑粒足、十二世 惺斎好み、黒四方、秋田春慶糸巻透、十三世 即中斎み、一閑鱗透、十四世 而妙斎好み、溜塗独楽透などがあります。
裏千家の好み物の手無莨盆には、四世 仙叟好み、桐角丸、桐の絵杉、六世 六閑斎泰叟好み、行李蓋胡桃足、桐木地足付、八世 又玄斎一燈好み、焼杉、入子、斗量、九世 不見斎石翁好み、寄木、黒塗木瓜、十世 認得斎柏叟好み、島桐、桑七宝透、桐行李蓋、十一世 玄々斎精中好み、溜塗香座間透、桐四方、山道丸、十二世 又玅斎直叟好み、一閑文箱、十三世 圓能斎好み、枝炭箱、独楽透、松竹梅、武蔵野、馬場形、桑香狭間透、十四世 淡々斎好み、松拭漆四方、松独楽透、銀杏透などがあります。
武者小路千家の好み物の手無莨盆には、七世 以心斎好み、独楽透竹縁、十二世 愈好斎好み、桑八角、木地亀甲形などがあります。
千家以外では、遠州好みの桑木地七宝透、石州好みの桑木地雲錦透、不昧好みの桐木地曲瓢透などがあります。

『茶道筌蹄』の煙草盆の部、「塗物類」に「鯨手 如心斎好、真黒ぬり」「こり蓋 原叟このみ、縁溜ぬり、底鏡黒ぬり」「絲巻 如心斎このみ、真黒ぬり、絲巻のすかし爪紅」「三つ入 元伯好、桐木地、黒掻合せ」「舟形 宗全このみ、こり蓋の深き形、真黒塗」、「木地類」に「くじら手 如心斎好、桑木地」「つぶ足 如心斎このみ、桑木地」「半庵好 葉入角、桑手も共木にて唐草すかし」「行李蓋 原叟このみ、真ぬりの通りにて桑きじ」「覚々斎好 中段にとまりあり、げす板に火入灰吹切こみ、下へ煙草入をいれる、桑きじ」「絲巻 如心斎このみ、しんぬりの通りにて桑」、「一閑類」に「木瓜 元伯好、一かん張、手付」「釣瓶 元伯このみ、大小あり、今用るは大の方」「行李蓋 原叟このみ、しんぬりの通りにて一かん張」「三つ入 一閑張、手なきは元伯このみ、竹の折手あるは宗全このみ」「つぶ足 如心斎このみ、一閑張」とあります。

     
行李蓋莨盆  舟形莨盆  櫛形莨盆  糸巻莨盆
     
黒一閑粒足  山道丸  溜塗香座間透  一閑文箱

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