茶道
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懐石席入 炭点前 懐石 中立 濃茶 薄茶 亭主が、折敷(おしき)という足の付いていない膳に、飯碗、汁碗、向付(むこうづけ)を載せ、利休箸を添えて、持ち出します。 正客は、ひと膝進み出て、亭主が座って下に置こうとする折敷を、畳のすぐ上で受け取り、次客に挨拶をして、折敷を膝前に置きます。 亭主は、同様にして、折敷を客一同に配り、給仕口外で挨拶し、給仕口を閉めます。 客は、一同で挨拶を交わし、飯椀の蓋の上に、汁椀の蓋を伏せて重ね、折敷の右側に置きます。 ご飯は炊き立ての、まだむれていないご飯が一口盛ってありますので、まずご飯を一口頂き、続いて汁を頂きます。ご飯は、頂ききらずに、少し残して、蓋はあけて置きます。汁は、吸いきって蓋をします。 客が汁を吸いきる音を合図に、亭主は客数の盃を載せた盃台と銚子を持って出て、正客の前に座り、酒をすすめます。
正客は、次客に挨拶して、盃を取って、亭主の酌を受けます。次客以下、同様に酌を受け、注がれたお酒を頂いてから、向付に箸をつけます。 次に、亭主が飯器を持ち出し、正客に給仕を申し出ますが、正客は「お任せを」といって、飯器を預かります。 亭主は、盆を持ち出し、空になった汁椀を持ち返り、汁のお替りをします。その間に、客は飯器を左膝上に抱えて、ご飯を飯椀につぎます。詰は、ご飯を取ったあと、匙を飯器に入れたままで蓋をして下座寄りに置くと、亭主が空いた給仕盆に載せて帰ります。 つづいて、亭主は煮物椀を客の折敷の正面に配り、給仕口外に出て挨拶しますので、客一同挨拶をし、お互いに声をかけ、一同煮物椀を取り上げ、蓋を取って飯椀の上に伏せ、まず汁を一口賞味して、中身を頂き、蓋をして下に置きます。この頃を見計らって、亭主が銚子を持ち出しますので、客同士でお酒を注ぎ合い、お酒をいただきながら、再び煮物をいただきます。 つぎに、亭主は焼物を器に載せ、青竹の菜箸を添えて、正客に預けます。続いて、飯器を持ち出し、正客に預け、汁のお替りを尋ねますが、正客が辞退します。 亭主が、お預けの銚子を持ち出し、正客に預け、給仕口の外から挨拶しますので、正客が「ご亭主もご一緒に」とすすめますが、普通は「勝手で相伴します」と辞退し、給仕口を閉め切ります。 正客は、焼物、飯器、銚子を、順次取り回していき、詰はころあいを見て、酌に立ち、連客同士で献酬します。 追加の鉢が一鉢か二鉢出ることもあります。これを強肴とか進肴、または預け鉢といいます。酢の物や炊き合わせの鉢に白竹の菜箸を添えて、半東がいれば半東が持ち出します。追加の酒も徳利で持ち出し、半東が注いで回ります。 詰は、ころあいを見て、銚子、飯器、徳利、鉢など、空いた器を、給仕口のきわに返します。 亭主が、給仕口を空け、「お粗末さまでした」と挨拶しますので、客は「ごちそうさまでした」と答え、亭主は空いた器を取り込み、吸物椀を持ち出し、空いた煮物椀を持ち返り、給仕口外で挨拶し、客一同受けて挨拶すると、給仕口を閉め切りますので、客は挨拶を交わし、吸物を頂きます。吸物椀は、箸洗いともいい、味の薄い清まし汁で箸の先をすすぎ、またご馳走を頂いた後の口中を整えるためのものです。 亭主は、客が箸洗いを終わったころを見はからって、給仕口を開け、左手に八寸を、右手に銚子を持って出て、正客の前に座り、酒を注ぎ、正客の吸物椀の蓋裏に、八寸の海のもの一種を付けます。次客以下にも同様にし、客は受けた酒と肴を頂きます。亭主は、再び八寸と銚子を持って正客の前に座り、八寸を正客の前に置きます。正客は、亭主に盃の持ち出しをすすめ、亭主は「お流れを」と答えます。
正客は、盃を懐紙で拭いて、盃台に載せ、亭主に差し出します。亭主が盃を取ると、次客が酌をしますから、亭主はそれを飲み、飲み終わった盃を懐紙で拭い盃台に載せます。 亭主は、正客の吸物椀の蓋裏に、八寸の山のもの一種を付け、正客に「暫時拝借」と挨拶をして、正客の盃を借り、次客に渡して酌をし、肴を次客に付け、次客が盃を空けると、亭主は次客から盃を受け、三客から酒を注いでもらって飲みというように、詰まで、ひとりずつ肴を付けながら、献酬して回ります。これを「千鳥の盃」といいます。詰との献酬が終わると、左手に八寸を、右手に銚子を持って正客の前に戻り、盃を借りた礼をいい、正客に盃を返して、酌をします。
正客は、ころあいを見て、亭主に酒を注ぎ、納盃の挨拶をし、八寸の盃事は終わり、亭主は八寸、銚子を持って給仕口に戻ります。 亭主は、続いて湯桶と香の物を一緒に持ち出し、吸物椀を盆に載せて、給仕口に戻り、給仕口外で挨拶して、給仕口を閉め切ります。 客は、飯椀、汁椀の蓋を開け、飯椀の蓋の上に香の物を取り、次に湯を取り回します。飯碗、汁碗に湯を注ぎ、沢庵で碗を綺麗に拭きながら、白湯を飲み干します。
懐石を頂いたあとは、まず箸の先を懐紙で清めて、折敷の右側に掛けます。箸を使っている間は、折敷の左縁にかけてぬれた部分を外に出し、折敷を汚さないようにしますが、ここで元の姿に戻します。 向付の汚れを、懐紙で拭って、折敷の中央向こう寄りに置き、飯椀、汁椀、飯椀蓋、汁椀蓋、盃と重ね、向付と真直ぐに整えます。 詰は、湯桶と香の物鉢を給仕口に返します。 このあと、折敷の右側に掛けた箸を、一斉に折敷の中に落として、水屋にいる亭主に食事の終ったことを知らせます。 その音を聞いて、亭主は給仕口を開け、「お粗末さまでした」と挨拶し、客は「ご馳走さまでした」と答えます。亭主は、湯桶と香の物鉢を取り込み、正客から順に折敷を下げます。詰だけは、自分の折敷を持って立ち、給仕口で亭主に渡します。 亭主は、続いて主菓子を入れた縁高を持ち出し、正客の前に置き、給仕口に戻って、中立の挨拶を交わし、給仕口を閉め切ります。 正客は、縁高を下座寄りに置き、次礼し、膝前に置きなおし、一番下の重に黒文字を一本入れ、上の重を次客との間に置き、送り礼をします。懐紙を出して、その上に菓子と黒文字を取ります。詰まで菓子を取ると、正客から空いた重を送っていきます。 正客のお相伴の挨拶で、客一同でお菓子を頂きます。 詰は、縁高と座布団を給仕口に返します。 続いて、正客から順次名残の拝見をして、退席し、腰掛へ戻ります。 次のページへ - 席入り
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