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懐紙

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掛軸
懐紙(かいし) とは、平安貴族が書状や詩歌の料紙に用いるために装束の懐中に入れた紙のことですが、のちには詩歌などを正式に詠進する詠草料紙(和歌を書き記す料紙)のことを意味するようになりました。
懐中に入れたところから「ふところがみ」、畳んで懐に入れるところから「畳紙(たとうがみ)」などともいいます。
懐紙に、詩歌などを詠進する書法も定められています。
順徳天皇(1197〜1242)の歌学書『八雲御抄』に「一首歌は三行三字墨黒に可書、但二三行も吉歟、五首已下は一枚及十首は可続、皆用高檀紙、・・・女歌薄様若檀紙一重」とあるように、男性が檀紙を女性が薄様を用いるのがならわしとなります。
紙の大きさは、『懐紙夜鶴抄』に「天子は大高檀紙を其まヽ遊ばさるヽ也、其故に高一尺五寸余也、摂関は一尺三寸余、大臣より参議まで一尺三寸、中少将殿上人は一尺二寸、其以下に至ては一尺一寸七八分たるべし」とされています。
和歌懐紙の書式は、『言塵集』に「書様は手うちおく程に袖をのこして詠字をかく也、上は一寸一二さげて書也、詠字と題とのあはひに姓名をば書なり」とあり、紙の右端を袖と称して掌の幅にあけて季題詠題を書きます。これを端作といいます。次行に官位姓名を書きます。
歌の書式は、『作歌故実』に「今の世懐紙の書法に九十九三とて、初行九字、第二行十字、第三行九字、終りの行三字といふが通例なり」とあります。
一紙一首が正式とされますが、『兼載雑談』に「一首懐紙は三行三字なり、二首三首は二行七字なり、五首七首は一紙に二行づヽ也、十首より上は紙を続べし」、『懐紙夜鶴抄』に「十首は紙三枚二行七字也、若二行に書時は、跡殊外あまりて見ぐるし、二行七字能也、十種までをつぎ懐紙といふ」とあり、二枚以上になるのを続懐紙といいます。
詩懐紙もこれに準じ、俳諧懐紙は杉原紙四枚を横二つ折りにし表と裏とし、水引で右端をとじ、一枚目を初折、二枚目を二の折、三枚目を三の折といい、最後の四枚目を名残ノ折といいいます。
初折表に「表八句」といって八句を書き、その第1句目を発句といいます。
初折の裏、二の折の表裏、三の折の表裏と名残ノ折の表にそれぞれ十四句を書き、名残ノ折の裏に八句を書き、各句の下に作者の名を記します。

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