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縁高
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縁高(ふちだか)は、菓子椀に代わる正式な主菓子器で、折敷の縁を高くした形のものを、通常五つ重ねて一組とし、最も上に一枚の蓋(総蓋)が添います。
縁高は、一重に一つずつ菓子を入れ客数だけ重ねて、一番上に蓋をし黒文字を載せます。
縁高は、縁高折敷の略で、縁高重(ふちだかじゅう)といいます。
縁高は、利休形と呼ばれる真塗縁高が基本とされ、五寸角に角切角の高さ二寸五分の縁が付き、胴紐と綴目があります。
縁高は、真塗のほか、一閑、溜塗、飛騨、春慶などや、透かしを入れたもの、切箔や蒔絵をしたものもあります。また寸法の異なるものもあります。
江戸中期の百科事典『類聚名物考』に「縁高折敷 ふちだかのおしき 今俗には縁高とのみいふ。古は折敷に縁高と、さもなきつねの物有りし故、わかちていひしなり」とあります。
伊勢貞丈(1717〜1784)の『貞丈雑記』に「ふち高は、ふち高の折敷と云物也。折敷のふちを高くすえたる物也。菓子などをもる為に、ふちを高くする也。大きさ五寸四方計。ふち高さ一寸五分ばかり、角切角(すみきりかく)也。廻りに桂を入る也。」とあります。
『嬉遊笑覧』に「按るに今縁高といふものは、足付の折敷(木具とも八寸ともいふなり)の縁の高きものなり。折敷に足付たるは縁高といふへからず。縁高きは物を盛るによければ、櫃のごとく用ひ、蓋をも作りたる也。膳に用ひざれば異ものヽ如くなれり。」とあります。
『茶道筌蹄』に「縁高 黒塗り、利休形、一かん張は元伯このみ」とあります。
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