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烏帽子箱水指

種壺 青海 破桶 矢筈口 烏帽子箱 緋襷

伊部烏帽子箱水指 藤田美術館蔵

烏帽子箱(えぼしばこ)は、菱形の底からひろがりをもって立ち上がる角形の器形をいいます。
烏帽子箱は、その形が烏帽子を収めておく箱に似ているところからこの名があるといいます。
烏帽子箱水指は、藤田美術館所蔵の中興名物「伊部烏帽子箱水指」が名高く、菱形の底からひろがりをもって立ち上がる角形の水指で、塗り土をした肌の二面に榎膚と呼ばれるかせが現れ、角には虫喰のようにな釉の剥落があり、他の二面は艶のある褐色を呈し、烏帽子を容れる箱に似ているところから小堀遠州が命銘したもののようで、内箱蓋表には遠州による「ゑほし箱」の箱書付があります。遠州の書付のある備前の水指はこの一点のみです。
烏帽子箱水指は、備前のほかに信楽や伊賀などにもみられます。

『松屋会記』寛永四年(1627)七月六日中左近会に「ヱホシ箱水指」とあります。
『松屋名物集』に「◎ゑほし箱(水指)」とあります。
『玩貨名物記』に「御水指 一、ゑほし箱 一、なはすたれ 一、くひちかひ」とあります。
『中興名物記』に「一、信楽 烏帽子箱 上田宗五 古宗左箱書付」とあります。

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