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破桶

種壺 青海 破桶 矢筈口 烏帽子箱 緋襷

前田家伝来 利休所持 備前桶形水指 銘破桶

破桶(やぶれおけ)は、利休所持の備前水指です。
破桶は、木桶を写した水指で、胴の上下に箍(たが)をつけ、外側に木膚をあらわした筋目文様をつけています。
破桶は、上下の箍(たが)の一部が剥げ落ち、その部分に赤い胎土が現れて景色となっており、破桶の名もそこから出たものかとおもわれます。
破桶は、天正十五年(1587)九月十三日昼、利休が秀吉を迎えて口切の茶事を催し、同夜の跡見の席に用いられた「水指ヤフレ桶」がこれにあたるのではないかといわれます。

『南坊録』宗易茶湯日記に「○九月十三日昼 御成 口切 二畳敷 一、臨済禅師像 一、釜糸目 一、棚ニクハン羽箒 △汁サクサク △雁松露 △柚ミソ △フノヤキ川茸 一、口広花入ニ菊一輪 一、棚ニ丸ツホ方盆 一、水指シカラキ 一、ヒシヤク引切 又 一、茶碗外濱 一、茶過テ御炭被遊 ○同夜 二畳敷 南坊 了無 宗雲 初 一、牧谿栗柿絵 一、棚ニ香合羽箒 一、釜糸目 一、カケ灯台 △汁 サクサク △柚ミソ △黒メ △川茸 後 一、床其マヽ 一、茶入松壷盆ニ 一、水指ヤフレ桶 一、棚ニヒシヤク引切」とあります。
『玩貨名物記』万治三年(1660)序に「一 破桶 利休所持 松平肥前殿」とあります。

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