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徳利

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徳利

徳利(とくり)は、茶事にだされる食事(懐石)に用いる、酒を入れて杯に注ぐための、おもに陶磁器でつくられた容器です。「とっくり」ともいいます。
徳利は、多くは口径が狭く、胴の膨らんだ背の高い形状の酒次です。
徳利は、強肴とともに石盃を添えて席中に持ち出されます。
茶事において、焼物を出したあと、亭主が水屋で相伴するため、その間客同士が勧めあってゆっくり飲んでもらおうと、詰の客に預けておく二合以上入るような大振りの徳利を「預徳利」(あずけどっくり)といいます。
預徳利は、一本のことも、二・三本異なった種類のものが持ち出されることもあります。
徳利は、室町時代中期からこの名がみられ、かつては錫でしたが、のち主に陶磁となりました。
徳利は、瓢箪形や辣韮形など、祥瑞・呉須赤絵・粉引・三島・朝鮮唐津・九谷などのものが好まれます。
『茶道筌蹄』の「酒次」に「錫 利休形徳利」とあります。
『貞丈雑記』に「今徳利と云物を古は錫といひける也むかしはやき物の徳利なし皆錫にて作りたる故すゞと云し也」とあります。
『茶道早合点』に「杯台 とさんなり、唐物焼物、時代塗物を用ゆ」とあります。
文明6年(1474)成立の古辞書『文明本節用集』に「土工李 トクリ 酒之器也」とあります。
『和訓栞』に「とくり 曇具理の義なるべし、群碎録に、今人蔵酒器曰曇と見え、壜にも作れり、墨荘漫録に、東坡云、新醸甚佳求一具理、具理南荒人鉼甖と見えたり、贍瓶も同じ、又陶器にや、くり反き也、下総の国にてはぽちといふ」
『守貞漫稿』に「京坂今も式正略及び料理屋娼家ともに必らず銚子を用ひ爛陶を用ふるは稀也、江戸近年式正にのみ銚子を用ひ略には爛徳利を用ふ、爛してそのまま宴席に出すを専とす、此陶形近年の製にて口を大にして大徳利口より移し易きに備り銅鉄器を用ひざる故に味美也叉不移故に冷へず、式正にも初めの間銚子を用ひ一順或は三献等の後は専ら徳利を用ふ、常に用之故に銅ちろりの爛酒甚飲難し、大名も略には用之、京坂も往往用之、不遠して京坂是を専用すなるべし」とあります。

     
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