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墨蹟窓
墨蹟窓(ぼくせきまど)は、窓の位置による名称のひとつで、床の間の内の脇壁に開けられた下地窓のことです。
墨蹟窓は、床に掛けた墨蹟を拝見しやすくするため床の中へ明りを入れる明かり窓というほどの意味でこの名があるようです。
墨蹟窓は、床の内の脇壁に下地窓を開けることは古田織部(1543/44〜1615)が始めたとされるところから「織部窓」(おりべまど)とも呼ばれます。
墨蹟窓は、一般的に外側が廊下などで雨露に曝されない場合は外側に掛障子を掛け、外側が直接庭に面している場合は内側に掛障子が掛けられます。
墨蹟窓は、大徳寺聚光院の表千家七世如心斎天然宗左(1705〜1751)好み平三畳中柱本勝手台目切下座床「閑隠席」(かんいんのせき)、西翁院の藤村庸軒(1613〜1699)好み平三畳宗貞囲本勝手向切下座床「澱看席」(よどみのせき)、妙心寺桂春院の伝藤村庸軒(1613〜1699)好み平三畳本勝手中柱台目切下座床「既白軒」(きはくけん)、西芳寺の伝千少庵(1546〜1614)好み四畳台目本勝手中柱台目切亭主床「湘南亭」(しょうなんてい)などがあり、「既白軒」は下地窓の上端が落掛(おとしがけ)の高さに位置し他に比べ高く、露地に面した室外に掛障子を掛けていますが、それ以外は内側に掛障子が掛けられ、土間庇の内に面する湘南亭の他は、露地に面した外側には雨仕舞の板戸を掛ける折釘が打たれています。
『松屋会記』慶長六年(1601)十一月廿日古織部会に「床の内、大平の方の脇に窓ありて、此窓に備前筒掛て、うめ、水仙花入、(中略)、床窓の花は其まヽあり、床の内に二色有之」とあります。
『古田織部正殿聞書』に「床の中の窓、此は床江明入候程との為明る、又花を可生為也、下地の真中に竪に細き竹を入てかくべし、是に打釘を打ち、花入を掛置候也」とあります。
『南方録』に「床の内の窓は古織好也、夫故織部窓といふ」とあります。
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