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茶室の天井

平天井 落天井 掛込天井 舟底天井 化粧屋根裏 竿縁天井 格天井 網代天井 鏡天井 蓆天井 野根板天井 簾天井 土天井 張付天井 張違天井 砂摺天井 一崩天井

茶室

茶室の天井は、小間では、天井の高さがかなり低く、平面の構成に応じて、天井の構成も変わり、複雑な形となっています。
天井に変化を作ることは、小間において工夫され、広間においてはあまり試みられていません。
低く狭い空間に、変化をもたせることで、広く見せようとしたものと思われます。
茶室の天井高は、『山上宗二記』に記された「紹鴎四畳半」では「天井と敷板の間七尺一寸」とありますが、千利休の時代には六尺以下のものが試みられ、その後小間では六尺一、二寸、広間では七尺以上と云うのが通例となります。
天井の構成には、平天井(ひらてんじょう)、落天井(おちてんじょう)、掛込天井(かけこみてんじょう)などがあり、これらの形式が色々に組み合せられて変化にとんだ天井がつくりだされています。

  1. 平天井(ひらてんじょう)
    天井面が水平になっているものをいいます。
  2. 落天井(おちてんじょう)
    平天井に高低をつけた二段造りとなっている場合の、低い方の天井のことで、下り天井ともいいます。点前座に用いることが多く、客座に対して、点前座を一段低くすることで下座をあらわしています。
  3. 掛込天井(かけこみてんじょう)
    庇(ひさし)が室内に貫入して、屋根裏の構成を室内に見せて、傾斜天井となっているものをいいます。垂木(たるき)の上に木舞(こまい)を配列し裏板が張られるという屋根裏を天井に見立てたものですが、斜面が加わることによって室内に高さをつくり出しています。

天井の仕上げは、削り上げた板を用いないで、杉や檜を薄くはいだ枌板(へぎいた)が多く使われます。
『和泉草』に「天井昔板天井しまま板、長へぎ板などにしてかろくして、おしぶちは大形竹木にても仕候也」、『茶道筌蹄』に「小座敷は網代、蒲、長片、此三通也、板天井は小坐しきに用ひず」とあります。

  1. 竿縁天井(さおぶちてんじょう)
    竿縁で天井板を支えた、和室の伝統的な天井仕上げのことをいいます。茶室では、枌板を少しずつ重ねて張る羽重(はがさね)張りにし、白竹や大和竹(女竹)などで打ち上げたものが多くあります。
  2. 化粧屋根裏(けしょうやねうら)
    平らな天井を張らず、屋根裏の構成を室内に見せる形式です。垂木(たるき)の上に木舞(こまい)を配列し裏板が張られるという屋根裏を天井に見立てたものですが、材も構成もきれいに整えるところから化粧屋根裏といいます。 掛込天井に用いられます。
  3. 網代(あじろ)天井
    枌板や竹などを斜めに編んだものを張った天井です。

『茶道筌蹄』に「天井 小座敷、網代、蒲、のね、三通なり、板天井は小座敷に不用、嵯峨西方寺の利休好は三畳の縁の上に土天井あり、光悦大虚庵は八畳の内六畳は土天井也」「かけこみ 上の板はわりのね、平手のね板は宗全このみなり、何れも竹たるきなり、すヽ竹のそりをはさみにうつは江岑このみなり」「簾 小座敷は皮付の葭、広間はかはむき葭、いよ竹ふすま」とあります。

     
外観   間取     出入口
     
    台目構   水屋

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