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花明窓
花明窓(はなあかりまど)は、窓の位置による名称のひとつで、床の間の内の脇壁に開けられた下地窓の組子に花入を掛ける折釘を打った窓のことです。
花明窓は、床の内の脇壁の下地窓の組子に花入を掛ける折釘を打つことは古田織部(1543/44〜1615)が始めたとされるところから「織部窓」(おりべまど)とも呼ばれます。
花明窓に花入を掛けるために打つ折釘は「朝顔釘」(あさがおくぎ)といい、釘の先が割れて両側に開くようになっている割足釘(わりあしくぎ)で、下地の葭の間に入れた竹を打ち抜いて、外れないように割足先を両側に開いて固定するようになっています。
花明窓は、床の内には花入を掛けるために、窓の外側に障子が掛けられ、席中から下地窓が直接見えます。
花明窓は、勝手付に下地窓を開けたのは金森宗和といいます。
花明窓は、大徳寺真珠庵の金森宗和好み二畳台目本勝手中柱台目切下座床「庭玉軒」(ていぎょくけん)は、床柱に花釘はなく、床柱のある水屋側の脇壁に、床畳上から二尺四寸五分高に、高さ一尺七寸、幅一尺三寸六分の下地窓を開け、組子の皮付葭の間に縦横二段に竹の下地を交へ入れて掻き、その右寄上部の交差した所へ朝顔釘を打ちつけてあります。
花明窓は、床窓としては低い位置に配して、床に置いた花入に明かりを当てる明かり窓も花明窓と呼んでいます。
『松屋会記』慶長六年(1601)十一月廿日古織部会に「床の内、大平の方の脇に窓ありて、此窓に備前筒掛て、うめ、水仙花入、(中略)、床窓の花は其まヽあり、床の内に二色有之」とあります。
『古田織部正殿聞書』に「床の中の窓、此は床江明入候程との為明る、又花を可生為也、下地の真中に竪に細き竹を入てかくべし、是に打釘を打ち、花入を掛置候也」とあります。
『茶譜』に「金森宗和は勝手の方へ窓をあけしことは古より嫌ふを不知してあけしか、縦不知気の付へき窓なり。宗和一世の誤と其比沙汰有之」とあります。
『南方録』に「床の内の窓は古織好也、夫故織部窓といふ」とあります。
『石州三百ヶ條』に「床に懸物かけ、又窓に花入置候事 床に懸物かけ、又、床の下地窓のゑつりに折釘を打、花入も懸る也、切々の客なとには如比致す也」とあります。
花明り窓 花明かり窓 花あかり窓 はなあかり窓
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