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下地窓
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下地窓(したじまど)は、窓の形式のひとつで、土壁の一部を塗り残して、下地の小舞(こまい)と呼ばれる格子状に組んだ竹や葭を見せた窓です。
下地窓は、「塗残窓」(ぬりのこしまど)、「塗さし窓」(ぬりさしまど)、「掻さし窓」(かきさしまど)、「葭窓」(よしまど)などとも呼ばれます。
下地窓は、千利休が田舎家の塗さしの窓を見て、風炉先窓にあけたのが始まりといわれます。
下地窓の外側は、多くは蛤端(はまぐりば)という、やや丸みのある仕上げに壁土を塗り回して、窓枠は設けません。
下地窓は、茶室では普通、皮付の葭を一本から四本を不揃いに外側は縦、内側は横に組み、上下三段、左右三列くらいに藤葛でからめます。
下地窓の室内には、壁に折釘を打ち「掛障子」(かけしょうじ)を掛けたり、敷鴨居や方立を取り付けて、障子を建てたりします。
下地窓の外側には、掛戸や簾をかける折釘を蛤端の上部一寸くらいの所に左右両端から二寸位入ったところに打ちます。下地窓の上部に横木を塗り込めて折釘を打つこともあります。
下地窓の外側に、下地を補強したり景をつけるために「力竹」(ちからたけ)あるいは「間柱」(あいばしら)と呼ばれる径一寸五厘位の真竹を、窓の中央から少しずらした位置に、軒桁の下端から差石まで入れることがあり、また窓縁から三寸位離れたところに入れることもあります。
下地窓は、位置も大きさも自由に定めることができるので、室内に微妙な明暗の分布をつくり出すことができ、枠も必要としないので、軽妙に見えます。
『茶道筌蹄』に「四畳半畳名所 紹鴎好四畳半は二枚障子にて左右にマイラあり、張壁なりしを利休塗壁にてぬり残し窓をあけ、くヽり口を付る、道幸の戸は此壁を通り勝手口の太鼓張は外を廻す」「窓 紹鴎このみの四畳半の張壁を塗壁にてぬり残しのまどを明る事、居士より始るなり、定家卿の歌に 大かべの窓ぬり残す庵までも すさめす照す夜の月」とあります。
『南方録』に「風炉先に塗さしを明しは休の物好也、田舎にて誠の塗さしを見て数奇屋に用られしと也、和泉河内辺は、壁下地よし多き所故、大方竹なしに、よしにて総つりをかく也、かつらの掛やう、間渡し平竹入様など、能々了簡すべし、口伝あり」とあります。
『細川茶湯之書』に「下地窓は、いかにもいかにも真にかく物也、たてなかにかくなり、雪隠のは、そさうにかく物也、座敷とは替るなり」とあります。
『古田織部正殿聞書』に「同下地窓之事、何も寸は定有之、風炉先の窓色紙等、葭之数は一、二、三、四、五本斗など並てかく也、葭の惣数は不定事也、竪横狭間の大さ不定、利休之代には狭間を細くかき候也、古織より荒くかく也」とあります。
塗残窓 塗残し窓 塗り残し窓 塗さし窓 塗りさし窓 掻さし窓 掻きさし窓
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