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丸炉
丸炉(がんろ)とは、茶の湯の炉のひとつで、円筒形の鉄製の炉です。
丸炉は、寸法はまちまちですが、概ね直径一尺程度で、地板を円形に切り抜き、そこに円筒形の鉄の炉を落し込んで据えます。
丸炉は、炉としては方形の炉に先行するもので、相国寺慈照院の客殿廊下の二重丸炉にみられるように、幅一間、奥行き二尺程の広さの所に、上に袋棚、中程に一重棚、下の地板に丸炉を切り、その向うに明り障子がついた点茶所となっており、「点茶する場所」と「喫茶する場所」とが分離していた書院茶では、ここに釜を掛け湯を沸かして点てられた茶が、書院へ運ばれていました。同様なものは曼殊院(まんしゅいん)の小書院「丸炉の間」(がんろのま) などにみられ、曼殊院では右手に竹の簀子があり、水屋として用いることも配慮されています。
丸炉は、松花堂昭乗好二畳「松花堂」(しょうかどう)のものは、茶室内の袋棚の下に丸炉を切った構えになっており、書院茶の流れを汲んだものといいます。
丸炉は、茶席では向板を入れて、向切や隅炉、あるいは中置の位置に据えたものもあります。
丸炉は、水屋などに設け控えの釜をかけたり、寄付などに切ることもあります。
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