茶道茶道とは茶室 > 落掛

落掛

 

落掛

落掛(おとしがけ)とは、床の間の正面上部の下り小壁を受け止める横木のことです。
落掛は、「落懸」とも書き、「楣」(まぐさ)と書いた茶書もあります。
落掛は、正面立ち上がり部分を見付(みつけ)、奥行方向の面を見込(みこみ)といい、一般的に小間では見付一寸から一寸一分程度、見込二寸三分から四分程の平角材で、見付は柾目(まさめ)、見込は板目(いため)になるような木取りをし、面取りはしません。
落掛は、見付柾材として用いるものに、桐(きり)、赤杉(あかすぎ)、赤松(あかまつ)、犬槐(いぬえんじゅ)、山桑(やまぐわ)などがあります。
落掛は、丸太あるいは見付を丸太として用いるものに、杉(すぎ)、名栗(なぐり)、真竹(まだけ)、煤竹(すすたけ)、犬槐(いぬえんじゅ)などがあります。
落掛は、利休時代は杉丸太を削り、下部の角に丸みを残して用い、その面が眉に似ているところから「マユ」というといいます。
落掛は、中央正面あるいは裏側に、釣花入を掛けるために「落掛釘」(おとしがけくぎ)あるいは「華鬘釘」(けまんくぎ)と呼ばれる、折釘を打つことがあります。

『石州三百ヶ條』に「床の柱落懸の事 床柱落懸は、直なる木をつかふ物也、かけ物ろくひつみも、落かけ又は柱をかねにして見る物也、落かけ柱はかねに成ものゆへ、ろく成柱並落かけを用るもの也、習なき人、物数寄とてゆかみ候おとしかけ床柱を用る事、伝授なきゆへなり」とあります。
『細川三斎御伝授書』に「おとしかけは、昔より杉丸太を削り候と被仰候」とあります。
『細川茶湯之書』に「つり舟は、床のおとしかけの内に、折釘をうちてかくる也、真中也」とあります。
『山上宗二記』に「床かまち 京まるた檜の皮むき、床四分一、珍く竹柱すく人もあり、おとしかけ杉けた」とあります。
『利休居士伝書』に「床をとしがけ昔は無之を、易の云ふ何とぞ仕度と也、此時易の妻、木をあて如此能く候ら半とて、マグサを仕そむると世に云へり」とあります。

     
外観   間取   天井  
     
出入口     台目構   水屋

おとしがけ おとしかけ 落としがけ 落しがけ 落としかけ 落しかけ 落し掛 落し掛け 落とし掛け おとし掛け

茶道をお気に入りに追加