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床框

 

床框

表千家残月亭

床框(とこがまち)とは、床の間を座敷の畳面から一段高くして畳床(たたみどこ)や板床(いたどこ)とする場合、床畳や床板の端を隠すために床の間の前端に置く化粧横木のことです。
床框は、床縁(とこぶち)ともいいます。
床框は、珠光、紹鴎の頃の茶室では黒漆塗の真塗框で、床框の下に一、二寸の小壁が入れてありましたが、次第に床框の下の小壁が省かれて直接框を置くようになります。
床框は、茶室が草庵化されるに従い、塗框も溜塗(ためぬり)、春慶塗などになり、木地のままの木地框、面の部分に樹の肌皮を残した面皮(めんかわ)、樹皮を剥いて磨いて丸太の面を出した磨丸太(みがきまるた)の太鼓落(たいこおとし)などが用いられていきます。
床框は、漆塗のものは、檜(ひのき)、杉面皮などがあります。
床框は、木地のまま使われるものには、欅(けやき)、栃(とち)、松(まつ)、桑(くわ)、栗(くり)、櫟(いちい)、花梨 (かりん)、山桜(やまざくら)、黒柿(くろがき)、紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)などがあります。
床框は、樹皮を剥いで磨いて丸太の面を出したものには、北山杉(きたやますぎ)や吉野杉(よしのすぎ)の磨丸太(みがきまるた)、幹回りに縦に波状の皺(しぼ)をつけた絞丸太(しぼりまるた)、表面を手斧(ちような)で削(はつ)った名栗(なぐり)などがあります。
床框は、特殊なものとしては、竹や陶製のものもあり、素焼の陶器を黒漆塗りしたものに遠州好みの金地院八窓席があります。

『烏鼠集』に「床のかまち、御物或は名物所持の人は、必ぬるよし、一種も不所持人は白くてよし」とあります。
『細川三斎御伝授書』に「利休か云は、炉縁も床かまちも水差も皆はな塗良、いぢいぢは堅く見ゆると言たと被仰候」「床の塗かまちは、昔は床に上る程の道具持のみする事なれども、今は心次第よしと被仰候」とあります。
『南方録』に「紹鴎に成て、四畳半座敷所々あらため、張付を土壁にし、木格子を竹格子にし、障子の腰板をのけ、床のぬりぶちを、うすぬり、または白木にし、これを草の座敷と申されしなり。」とあります。
『山上宗二記』に「床かまち 京まるた檜の皮むき、床四分一、珍く竹柱すく人もあり、おとしかけ杉けた」「天井こもの色付堺に有、にか竹二本つゝ双てうつ、一間間中の間に十三通、但し廻ふちは唐竹也、同く高さ六尺五寸、六寸の間数寄次第、床かまち京まるた檜のひんむき」とあります。
『山上宗二記』紹鴎四畳半図に「床かまち、くりの木、かきあわせにくろく、十遍計ぬる」とあります。

     
外観   間取   天井  
     
出入口     台目構   水屋

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